ヤバイよ、製薬企業のMR 〜計画なし、実績計上なしで何にやり甲斐を見出すか(後編)〜

2021/04/30

前回ブログ(計画なし、実績計上なしで何にやり甲斐を見出すか(中編))では、対物業務の外部委託で変化が起こりうるポイントを列挙した。

対物業務の外部委託による業界の大変革については、製薬企業と、そこで働くMRにとっても、看過することのできないものになるだろう。処方箋調剤を中心に起こりうるであろうパラダイムシフトについては、2年前のブログ「処方箋調剤のパラダイムシフトVER2.3」でも取り上げているので、そちらも併せて確認してみて欲しい。

対物業務が外部委託されることで、自社製品の購入施設が移動することになる。A薬局で毎月購入されていた○○○錠10000mgが、最終的にはA薬局で薬局で投薬されるにもかかわらず、B薬局で購入されるのだ。

こういった現象は、共同購入方式によって既に現実のものになっており、製薬企業の計画部門やMRの悩みの一つになっている。対物業務の外部委託が進むことで、購入施設への集約は拡大することになり、これまで以上にMR個々の実績把握が困難になる。

企業にとっては、どのMRに実績が付くかどうかはどうでもいい問題だが、人事評価でボーナスや昇給が決まるMRにとっては死活問題になる。降雨量不足で水泥棒が発生するかのごとく、我田引水で能力以上の評価に甘んじるMRが出てくるのも許せないだろう。企業内の治安を維持するためにも、何らかの手を打つ必要があるだろう。

実績が計上される施設が集約されることは、医薬品のトレーサビリティにも大きな影響を及ぼす。製品回収、副作用対応、各種レターの送付など、情報提供の既存スタイルでは、対応が困難になるだろう。

そこで決断を迫られるのが、各種データ販売業者との取引きだ。医薬品流通データを収集し、製薬業者に売り込もうとする業者が増加することだろう。IQVIAを始めとする既存業者のみならず、調剤機器メーカー、レセコンベンダーから、オンライン診療システムベンダーやSFAベンダーまで、非常に多くの事業者が参入すると考えている。場合によっては複数業者との取引きが必要になり、異なるフォーマットのデータ取込みに苦慮する社内風景が脳裏に浮かぶ。

想像を膨らませれば膨らませるほどアイデアは尽きないわけだが、「ヤバイよ、製薬企業のMR 〜計画なし、実績計上なしで何にやり甲斐を見出すか〜」はここいらで切り上げることとする。

下のスライドに併せて、「処方箋調剤のパラダイムシフトVER2.3」を眺めながら、それぞれの妄想を膨らませて欲しい。
第12回 医療・介護ワーキング・グループ(2021年4月20日) 
議題2「調剤の外部委託・40枚規制の見直し」より
第12回 医療・介護ワーキング・グループ(2021年4月20日) 
議題2「調剤の外部委託・40枚規制の見直し」より




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