MRのための財務諸表講座 〜「売れる」とは①~

2025.09.24

製薬会社にとって、「売れる」とはどういうことだろうか。

同じ社内であっても、立場が異なると「売れる」ことの意味が変わってくるところが、医薬品業界の特殊性だ。

MRにとっての「売れる」とは、医薬品卸によって病院または薬局に販売された自社製品が、医師によって処方され、調剤、そして投薬されるまでの一連の過程すべてであると考えている。

そして、処方から投薬までのサイクルが何度も回ることで、病院や薬局が再び当該製品を購入し、MRにとっての「売れる」が繰り返される。

一方で、製薬会社にとっての「売れる」とは、自社工場で製造、出荷された製品が、医薬品卸へと販売され、在庫の所有権が移動することを指している。

少々ややこしい書き方をしたが、製品が卸へと販売されたところで、製薬会社としては売上計上となるわけだ。

しかし、医療機関で使用されない製品が、次々と医薬品卸に販売されるわけはなく、MRにとっての「売れる」と製薬会社にとってのそれがうまく循環することでこそ、製薬会社の売上は拡大することになる。

言い換えると、MRによる自社製品の処方、投薬が促進されさえすれば、医薬品卸はそれを購入せざるを得なくなり、自然と製薬会社の売上は増加していくのだ。

つづく

人気の投稿