抗菌薬クライシス2024
2024.05.28
抗菌薬クライシス第2弾とも言うべき大混乱が起きようとしている。
国内で経口セフェム系抗生物質の製造拠点である工場で複数のジェネリック医薬品のみならず先発品が絡む生産遅延が発生しているようだ。
第1弾は一般メディアでも大きく取り上げられたセファゾリン供給問題だ。
この問題は国内における医薬品サプライチェーンの脆弱さを顕在化させ、抗菌薬等の安定供給に係る検討会立ち上げにつながった。
今回の第2弾はある一部のカテゴリーに属する抗生物質製剤の生産遅延ではあるが、タイミングが悪すぎると考えている。
国際標準に遅れをとる日本のAMR対策として、2024年度診療報酬改定では抗菌薬適正使用つながる施策が打たれた。
その適正使用の中心となる抗菌薬がいわゆるAccess抗菌薬であり、今回生産遅延に陥っている医薬品がそれに該当しているのだ。
5月22日に後発医薬品の安定供給等の実現に向けた産業構造のあり方に関する検討会の報告書が公表された直後、そして2024年度診療報酬改定の施行目前というタイミングで起きた抗菌薬クライシス2024を当局はいかに対処するのだろうか。