デジタル行財政改革会議から電車処方箋、リフィル処方の現状を考える

2024.04.29

4月22日に開催された「デジタル行財政改革会議」では様々な分野におけるデジタル行財政改革の現状と加速すべきポイントが示された。

医療分野においては電子処方箋、オンライン服薬指導、長期処方・リフィル処方等の推進が取り上げられており、改革会議では岸田首相から「おおむね全ての医療機関、薬局への電子処方箋の年度内の導入に向けた対応を進め、リフィル処方の普及策を具体化してほしい」と述べたとのこと(参照:日本経済新聞記事、2024年4月22日)。

では、4月21日現在の電子処方箋とリフィル処方の現状を確認してみると、電子処方箋登録率は医科で1.9%、薬局で30.3%となっている(分母は2021年度の施設数)。

全国展開スタートから1年以上が経過した時点では、極めて低い登録率と言ってもいいだろう。

特に医科においては、令和6年度診療報酬改定によるインセンティブが仮に働いたとしても、全面的な導入に到達するとは思えない。

導入補助金に加えて、電子処方箋の発行数に応じた奨励金制度でもできない限りは、せいぜい30%程度が関の山ではないだろうか。

リフィルの対応状況については分母を電子処方箋登録済みの施設にしており、さらに低調な進捗であることは明白だ。

こちらはシステム解禁から約半年程度であり、今後は電子処方箋登録とセットで進むと思われる。

つまり、鬼門は電子処方箋の登録にあるということだ。

マイナ保険証利用率に応じた奨励金のような策を期待しつつ、電車処方箋のシステム改修を進めていく必要があるのかもしれない。





人気の投稿