健康ブームへの警鐘
2024.03.27
なぜこうも、年末、年度末を狙って事件が起きるのだろうか。
それとも、心理的に余裕のない時期に遭遇するイベントを、必要以上に深刻に捉えてしまうせいで、そのように感じてしまうのか。
いずれにしても、今回明らかになった機能性食品の問題は、健康食品の在り方そのものを考え直さなければならないほどのインパクトを世に与えた。
そもそも、機能性表示の根拠となるデータの収集から、GMP基準に基づく製造体制の有無まで、本当に当局のチェック機能は働いていたのだろうか。
今回の件は、健康になりたいと思う人々の健康を逆に損なうことになってしまったという点で、機能性食品の存在意義を根底から揺るがす事態に発展しかねない。
似たような観点では、ダイエット目的で使用されるGLP-1受容体作動薬についても、安易な気持ちで手を出していいのだろうか。
自己責任と言ってしまえばそれまでだが、病気を治療するために使用する医薬品とはわけが違う。
不必要に得体の知れないものを摂取しがちな健康ブームに警鐘を鳴らすべきだ。