まさかの施設基準 ~バイオ後続品使用体制加算~

2024.03.13

バイオシミラーの置換え目標は、「2029年度末までに、バイ オシミラーに80%以上置き換わった成分数が全体の成分数の60%以上にする」とされている。

これを受けて2024年度診療報酬改定では、外来のみに設けられていた使用促進策が入院にも拡大されることとなった。

まずは答申で示された施設基準を見て目を疑った。

成分ごとに置き換え率が異なる上、直近1年間のバイオ医薬品の使用回数の縛りがあるなど、なかなか複雑な仕様になっていたのだ。

告示日の説明会資料で示された計算式を見ても、使用回数の合計が100以上、使用実績で50単位を超えない場合は50を超えるもののみを評価するなどの基準がいまいち分からない。

院内の当事者であればピンとくるのだろうが、それでもどうやってデータを集計するのか疑問が残る。

電子カルテや薬剤管理システム等が対応することになるのだろうか。




別表第一  医科診療報酬点数表 

A243-2 バイオ後続品使用体制加算(入院初日)   

注 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関に入院している患者(第1節の入院基本料(特別入院基本料等含む。)又は第3節の特定入院料のうち、バイオ後続品使用体制加算を算定できるものを現に算定している患者に限る。)であって、バイオ後続品のある先発バイオ医薬品(バイオ後続品の適応のない患者に対して使用する先発バイオ医薬品は除く。)及びバイオ後続品を使用する患者について、バイオ後続品使用体制加算として、入院初日に限り所定点数に加算する。 


別添1   医科診療報酬点数表に関する事項 

A243-2 バイオ後続品使用体制加算 

(1) バイオ後続品使用体制加算は、バイオ後続品の品質、有効性、安全性、安定供給体制等の情報を収集・評価し、その結果を踏まえバイオ後続品の採用を決定する体制が整備されている保険医療機関を評価したものである。 

(2) バイオ後続品使用体制加算は、入院及び外来においてバイオ後続品の導入に関する説明を積極的に行っている旨を当該保険医療機関の見やすい場所に掲示するとともに、原則としてウェブサイトに掲載している保険医療機関であって、当該保険医療機関の調剤したバイオ後続品のある先発バイオ医薬品(バイオ後続品の適応のない患者に対して使用する先発バイオ医薬品は除く。以下同じ。)及びバイオ後続品を合算した規格単位数量に占めるバイオ後続品の規格単位数量の割合が各成分に定められた割合以上である保険医療機関において、バイオ後続品のある先発バイオ医薬品及びバイオ後続品を使用する患者について、入院初日に算定する。


基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて

第26の2の3 バイオ後続品使用体制加算 

1 バイオ後続品使用体制加算の施設基準 

(1) 病院では、薬剤部門においてバイオ後続品の品質、安全性、安定供給体制等の情報を収集・評価し、その結果を踏まえ薬事委員会等でバイオ後続品の採用を決定する体制が整備されていること。 

有床診療所では、薬剤部門又は薬剤師がバイオ後続品の品質、安全性、安定供給体制等の情報を収集・評価し、その結果を踏まえバイオ後続品の採用を決定する体制が整備されていること。 

(2) 直近1年間におけるバイオ後続品のある先発バイオ医薬品先発バイオ医薬品(バイオ後続品の適応のない患者に対して使用する先発バイオ医薬品は除く。以下「先発バイオ医薬品」という。)及びバイオ後続品の使用回数の合計が100回を超えること。 

(3) 当該保険医療機関において調剤した先発バイオ医薬品及びバイオ後続品について、当該薬剤を合算した規格単位数量に占めるバイオ後続品の規格単位数量の割合について、ア及びイを満たすこと。 

ア 次に掲げる成分について、当該保険医療機関において調剤した先発バイオ医薬品及びバイオ後続品について、当該成分全体の規格単位数量に占めるバイオ後続品の規格単位数量の割合が80%以上であること。ただし、直近1年間における当該成分の規格単位数量の合計が50未満の場合を除く。 

(イ) エポエチン 

(ロ) リツキシマブ 

(ハ) トラスツズマブ 

(ニ) テリパラチド 

イ 次に掲げる成分について、当該保険医療機関において調剤した先発バイオ医薬品及びバイオ後続品について、当該成分全体の規格単位数量に占めるバイオ後続品の規格単位数量の割合が50%以上であること。ただし、直近1年間における当該成分の規格単位数量の合計が50未満の場合を除く。 

(イ) ソマトロピン 

(ロ) インフリキシマブ 

(ハ) エタネルセプト 

(ニ) アガルシダーゼベータ 

(ホ) ベバシズマブ 

(ヘ) インスリンリスプロ 

(ト) インスリンアスパルト 

(チ) アダリムマブ 

(リ) ラニビズマブ 

(4) 入院及び外来においてバイオ後続品の使用に積極的に取り組んでいる旨を当該保険医療機関の見やすい場所に掲示していること。 

(5) (4)の掲示事項について、原則として、ウェブサイトに掲載していること。自ら管理するホームページ等を有しない場合については、この限りではないこと。 

2 届出に関する事項 

(1) バイオ後続品使用体制加算の施設基準に係る届出は、別添7の様式40の3の2を用いること。 

(2) 1の(5)については、令和7年5月31日までの間に限り、当該基準を満たしているものとみなす。





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