まさかの施設基準 ~薬物療法体制充実加算~
2024.03.10
2024年度診療報酬改定において病院薬剤師業務の評価として「がん薬物療法体制充実加算」が新設される。
「薬剤師外来」を評価すると言い換えられる場面もあり、病院薬剤師の取り組みに報いるため積極的な算定が期待されたところであるが、これが結構ハードルの高そうな施設基準が示された。
それとも、外来腫瘍化学療法診療料1 を届出ている病院では、これぐらいの施設基準は一般的なのだろうか。
6月以降、外来腫瘍化学療法診療料1 を届け出る病院のうち、どれぐらいの施設が届出するのかを検証してみたい。
別表第一 医科診療報酬点数表
1 外来腫瘍化学療法診療料1
イ 抗悪性腫瘍剤を投与した場合 (1) 初回から3回目まで
注9 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、1のイの(1)を算定する患者に対して、当該保険医療機関の医師の指示に基づき薬剤師が、服薬状況、副作用の有無等の情報の収集及び評価を行い、医師の診察前に情報提供や処方の提案等を行った場合は、がん薬物療法体制充実加算として、月1回に限り100点を所定点数に加算する。
別添1 医科診療報酬点数表に関する事項
「注9」に規定するがん薬物療法体制充実加算については、外来腫瘍化学療法診療料1を届け出た保険医療機関において、外来腫瘍化学療法診療料1のイの(1)を算定する患者に対して(4)イ及びウに掲げる業務について、医師の指示を受けた薬剤師による業務のうち、医師の診察前に服薬状況、副作用の有無等の情報を患者から直接収集し、評価を行った上で、当該医師に当該患者に係る情報提供、処方提案等を行った場合は、月1回に限り 100 点を所定点数に加算する。なお、必要に応じて、医師の診察後においても、抗悪性腫瘍剤、副作用に対する薬剤等の使い方等について、適宜患者に対して説明を行うこと。
特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて
5 がん薬物療法体制充実加算に関する施設基準
(1) 外来腫瘍化学療法診療料1に係る届出を行っていること。
(2) 化学療法に係る調剤の経験を5年以上有しており、40時間以上のがんに係る適切な研修 を修了し、がん患者に対する薬剤管理指導の実績を50症例(複数のがん種であることが望 ましい。)以上有する専任の常勤薬剤師が配置されていること。
(3) 患者の希望に応じて、患者の心理状況及びプライバシーに十分配慮した構造の個室を使 用できるように備えていること。
(4) 薬剤師が、医師の診察前に患者から服薬状況、副作用等の情報収集及び評価を実施し、 情報提供や処方提案等を行った上で、医師がそれを踏まえて、より適切な診療方針を立てることができる体制が整備されていること。