令和6年度調剤報酬改定に向けて考えること 2nd season その2
2023/08/03
昨日、中医協総会が開催され、個別事項、医療DXについて初回の検討が行われた。
業界関係者の多くが注目を寄せたのは医療DXだろう。
なぜならば、診療報酬改定DXによって改定の施行時期が左右される可能性が示唆されており、実際の方針については中医協総会の場で決定されるとされていたからだ。
下記は昨日の中医協総会で示された「課題と論点」であるが、資料には「令和6年度診療報酬改定より施行時期を6月1日施行」との記載がある。
施行時期がズレは、施設基準等に必要となる実績要件のカウント期間に影響を及ぼすものと考える。
株式上場する調剤チェーンなどにとっては、改定年度、そして次年度の戦略変更が必要になる可能性もあるだろう。
また、例年であれば1月ぐらいから本格化する各種改定セミナーの開催時期はどうなっていくのだろう。
いろいろと気になることが満載だ。
【課題】
(医療DX工程表について)
• 医療DXに関しては、「医療DXの推進に関する工程表」(令和5年6月2日医療DX推進本部決定)がとりまとめられたところ。
• 工程表においては、全国医療情報プラットフォームに関し、2024年度中の電子処方箋の普及に努めるとともに、電子カルテ情報共有サービス(仮称)を構築し、共有する情報を拡大。併せて、介護保険、予防接種、母子保健、公費負担医療や地方単独の医療費助成などに係るマイナンバーカードを利用した情報連携を実現するとともに、次の感染症危機にも対応することとされている。
• 2024年度に医療機関等の各システム間の共通言語となるマスタ及びそれを活用した電子点数表を改善・提供して共通コストを削減、2026年度には、共通算定モジュールを本格的に提供し、共通算定モジュール等を実装した標準型レセコンや標準型電子カルテの提供により、医療機関等のシステムを抜本的に改革し、医療機関等の間接コストを極小化することとされている。
• 診療報酬改定の施行時期の後ろ倒しに関しては、実施年度及び施行時期について、中央社会保険医療協議会の議論を踏まえて検討とされているところ。
(診療報酬改定DXに対応するための施行の後ろ倒しについて)
• これまで診療報酬改定に伴い、答申や告示から施行、初回請求までの期間が短く、医療機関・薬局等及びベンダの業務が逼迫し、大きな負担がかかっている。
• 今後は、施行の時期を後ろ倒しし、共通算定モジュールを導入することで、負担の平準化や業務の効率化を図る必要がある。
【論点】
○ 診療報酬改定DXの推進に向け、医療機関・薬局等やベンダの集中的な業務負荷を平準化するため、令和6年度診療報酬改定より施行時期を6月1日施行とすることとしてはどうか。
○ また、薬価改定の施行に関しては例年通り4月1日に改定とすることとしてはどうか。