薬剤師・地域活躍アクションプランの整理⑨ 〜調剤業務の一部外部委託についての要点〜
2022/07/26
私自身の思考整理のために、7月11日に公表された「薬剤師が地域で活躍するためのアクションプラン」の内容を整理していく。資料の抜粋ではなく、私自身のための要点整理である。
調剤業務の一部外部委託に係る考え方及び対応方針
①基本的な考え方
・対物業務の効率化を図り、対人業務に注力するため
・(患者の)安全担保の仕組みが必須
・患者、地域の医薬品アクセスに支障が出ない範囲で
・現時点では、調剤業務の外部委託は法律で認められていない
・外部委託により、効率化が図れるかについての検討(検証)が必要
調剤業務の一部外部委託の検討を進める際の方針
②調剤業務の一部外部委託の実施要件
ⅰ)外部委託の対象となる業務
・一包化(散剤は対象外、直ちに必要とするものを除く)
・一包化以外の業務拡大については、検証結果を踏まえて検討する
ⅱ)委託先
・委託先は薬局
・委託先は同一法人内に限定しない。
・委託先は当面の間、同一の三次医療圏内とする(対象業務と同様に、検証結果を踏まえて見直す)
ⅲ)安全性の確保等
・委託先の受託業務プロセスにおいて患者の医療安全が確保
・EUのADDガイドライン( Automated Dose Dispensing: Guidelines on best practice for the ADD process, and care safety of patients(2017 欧州評議会))
・委託元及び委託先が手順書の整備や教育訓練を行う
・適切な情報連携体制を構築、維持できること
・委託元の指示の記録や、委託先での作業が確認できる記録(例えば、画像や動画での確認、調剤機器へのアクセスログ等)を残すこと
・最終監査は委託元の薬局が実施すること(実物、委託先から提供された画像等による)
・最終監査後の患者への薬剤の交付は、委託元から交付(直接の手渡し又は配送)する場合と、委託先から交付(配送)される場合が考えられる(適宜判断)
・厚生労働省及び自治体は監視権限を持つ
・外部委託後に処方内容又は調剤内容について変更が生じることがないようにする
・患者への聞き取りは、調剤設計の段階で適切かつ確実に行うこと
ⅳ)その他
・外部委託に掛かる薬機法の見直しを行う
・外部委託を利用する場合には、患者に十分説明して同意を得る
・薬局開設者は薬剤師の意見を尊重し、外部委託を強要してはならない