骨太方針2022 社会保障関連のキーワード((経済社会活動の正常化に向けた感染症対策)
2022/06/14
(経済社会活動の正常化に向けた感染症対策)
新型コロナウイルス感染症対策については、必要な財政支援や見える化等により医療提供体制の強化を進めるとともに、感染状況や変異株の発生動向に細心の注意を払いつつ、段階的な見直しを行い、一日も早い経済社会活動の正常化を目指す。医療提供体制の強化について、国立病院機構等の公立公的病院に法律に基づく要求・要請を行うことによる新型コロナウイルス感染症の専用病床化とともに、個別の病院名を明らかにした病床の確保を行いつつ、感染拡大時には即応病床の増床や病床の使用率向上により、入院を必要とする者がまずは迅速に病床又は臨時の医療施設等に受け入れられ、確実に入院につなげる体制を整備する。
感染拡大時に臨時の医療施設等が円滑に稼働できるよう、都道府県ごとに医療人材派遣の協力可能な医療機関数や派遣者数を具体化するほか、公立公的病院においても都道府県に設置する臨時の医療施設等に医療人材を派遣する。
医療DXを推進し、医療情報の基盤を整備するとともに、G-MISやレセプトデータ等を活用し、病床確保や使用率、オンライン診療実績など医療体制の稼働状況の徹底的な「見える化」を進める。
ワクチン、検査、経口治療薬の普及等により、予防、発見から早期治療までの流れを強化して新型コロナウイルス感染症の脅威を社会全体として可能な限り引き下げる。マイナンバーカードを使ったワクチン接種証明書のデジタル化等により、入国時での効率的なワクチン接種履歴の確認など円滑な確認体制を進める。
国際的な人の往来の活発化に向け、感染拡大防止と経済社会活動のバランスを取りながら、他のG7諸国並みの円滑な入国を可能とする水際措置の見直しなど水際対策の緩和を進める。また、新たな変異株が発生する場合にはこれに機動的に対処する。
新型コロナウイルス感染症に関する罹患後症状(いわゆる後遺症)についての実態把握や病態解明等に資する調査・研究を進める。
その上で、これまでの新型コロナウイルス感染症対応を客観的に評価し、次の感染症危機に備えて、本年6月を目途に、危機に迅速・的確に対応するための司令塔機能の強化や感染症法の在り方、保健医療体制の確保など、中長期的観点から必要な対応を取りまとめる。
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・病床確保、医療機関と協定(日本経済新聞、2022年6月13日)