中医協総会の意義を揺るがす

2022/05/27

6月にまとめる政府の経済財政運営の指針「骨太の方針」に係る検討において、いわゆるマイナ保険証の利用促進策の見直し案が浮上してきた。

マイナ保険証の利用促進策とは、令和4年度診療報酬改定によって新設された「電子的保健医療情報活用加算」のことである。つまり、中医協総会での議論を経て、4月に施行されたばかりの制度が、2年のサイクルを待たずして見直しされる可能性が出てきたということだ。

この報道は一般紙でも取り上げられており、まさに「異例」の対応として扱われている。

厚生労働省による提案が、中医協総会で特段の審議がなされぬまま、そのまま施行されたという類のものだろうか。それとも、十分に審議された上で、決定された点数新設だったのだろうか。

いずれにおいても、「電子的保健医療情報活用加算」のような、国や医療機関の設備投資に対して、加算新設によって患者に負担を課すやり方は第三者の視点を入れて十分な議論が必要になってくるだろう。

財務省やその他の会議体による議論内容が、中医協総会の審議に介入することに対して、中医協総会委員の一部からは不満の声が漏れていた。それにもかかわらず、今回の「骨太の方針」の一件は、中医協総会における審議の意義自体を揺るがしかねないものだ。



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