気が休まらない2022年

 2022/02/17

2022年度改定対応にあたっては、「薬局薬剤師の業務及び薬局の機能に関するワーキンググループ」の検討テーマにも気を配る必要がありそうだ。

2025年、2040年問題という人口問題に加えて、パンデミックによる現代社会の構造的問題の浮き彫りで、あらゆる分野における改革が加速度的に早まっている。

改定対応をこなすだけでは済まされず、次に何が起きるのか、どのように環境が変わるのかに考えを巡らせながら日々の仕事をこなさなければならない。

そんなことを考える際、「薬局薬剤師の業務及び薬局の機能に関するワーキンググループ」で示された検討事項は、当面の羅針盤になるだろうと考えている。

以下(▽)は、同WGで示された検討テーマになるが、改めて見ると、どれも無視できない項目ばかりだ。この方向性を蔑ろにして、改定対応はできないだろう。

記載の内容が全てその方向に進んでいくとは限らない。まずは是非を議論するためにWGが始まったものと考えている。私自身、気になる表現についてもう少し深堀りする必要を感じている。


▽薬局薬剤師の業務及び薬局の機能に関するワーキンググループ(2022年2月14日)より

ワーキンググループにおける論点のイメージ

<ワーキンググループ全体を通じたコンセプト>

• 高齢化に伴う本格的な人口減を迎えつつある中で、地域の薬剤師の人的資源を活用することは、国民の医療の質の向上、健康増進、地域医療体制の確保にとって重要。

• 「患者のための薬局ビジョン」で打ち出された①『「門前から」から「かかりつけ」、そして「地域へ」』、②「対物業務から対人業務へ」などを基本的な考え方として、地域で活動する医療職種としての役割を強化する。また、電子処方箋の導入、オンライン化の推進、マイナポータルを通じた各種医療情報の共有、調剤機器の高度化等の新たな技術が登場する中で、これの技術等を活用した将来の薬局薬剤師の業務の在り方や必要な対策を検討する。

• さらに、地域における薬剤師サービスの提供拠点としての薬局の在り方についても議論する。


【第1回:対人業務の充実】

① 薬局薬剤師の対人業務のうち、今後どのようなものを推進していくべきか。

② 質の高い対人業務を均てん化するためにどのような方策が必要か。

③ 薬剤師がスキルアップし、専門性を発揮するため、どのような取組みが必要か。


【第2回:薬剤師・薬局のDX】

① 薬剤師が在宅(薬剤師の自宅等)での服薬指導を認めるべきとの意見についてどのように考えるか。

② どのような場合にオンライン不可で対面が必要となるか。

③ 電子処方箋、オンライン服薬指導、マイナポータルを通じた各種医療情報の共有等のデジタル技術の進展を踏まえ、薬局薬剤師の業務はどのように変化していくべきか。


【第3回:医療安全を前提とした対物業務の効率化】

① 調剤機器、薬剤師以外の職員の活用を適切に行うために、どのような取組みが必要か。

② 対人業務を推進する観点から調剤業務の外部委託を推進すべきとの指摘についてどう考えるか。

③ 処方箋の40枚規制を撤廃すべきとの指摘についてどう考えるか。

④ その他、対人業務を推進する上で効率化を検討すべき点はあるか。


【第4回:地域における薬剤師サービスの提供】

① 他職種との連携を進める上でどのような取組が必要か(タスクシェアを含む)。

② 病院薬剤師との連携(いわゆる薬薬連携)を進める上でどのような取組が必要か。

③ 認定薬局の現在果たしている役割についてどのように考えるか。

④ 薬局の健康サポート機能を推進するためにどのような取組が必要か。

⑤ 薬剤師サービスの提供拠点としての薬局配置に関する基準の要否についてどう考えるか。

⑥ 僻地・離島への対応としてどのような取組が必要か。

※ 上記のほか、令和4年度診療報酬改定の状況を踏まえつつ、リフィル処方箋についても取り扱う(論点:リフィル処方箋への薬局での対応について、適切な調剤や受診勧奨が行われるよう、どのような方策が必要か。)。

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