(作業的ブログ)これまでの議論の整理と、第2ラウンドで示された課題と 〜調剤基本料とその加算〜
2022/01/15
第2ラウンドの議論で示された課題と、1月14日の総会で承認された「これまでの議論の整理」を照合することで見えてくるものがある。
▼これまでの議論の整理(2022年1月14日)
▼第2ラウンドで示された課題
調剤基本料
○調剤基本料1を算定する薬局の割合は平成30年度に減少し、令和2年6月では約84%であった。
○調剤基本料の区分は薬局経営の効率性を踏まえて設定している。一方で、一定の機能を有する薬局の体制を評価するものとして、地域支援体制加算と後発医薬品調剤体制加算がある。
○処方箋集中率が高いほど、医薬品の備蓄品目数が少なくなる傾向にあり、特に処方箋集中率90%以上では備蓄品目数が少なく、95%を超えると顕著に少ない。
○回答のあった薬局数は少ないものの、保険医療機関の敷地内の薬局の損益率が高かった。
○令和2年度改定後は、同一グループの店舗数が20店舗以上の薬局では損益率が増加しているが、それ以外の薬局では損益率は減少している。また、同一グループの薬局の損益差額は、300店舗以上の場合が最も大きかった。
地域支援体制加算
○調剤基本料1を算定している薬局のうち、処方箋集中率が40~80%程度の薬局では地域支援体制加算の届出をしている割合が多かった。
○地域支援体制加算の届出が困難な理由として、調剤基本料1を算定する薬局では、「24時間調剤、在宅対応体制の整備」、「在宅患者薬剤管理」、「かかりつけ薬剤師指導料等の届出」などを挙げる割合が多かった。一方、調剤基本料1以外を算定する薬局では、「外来服薬支援料」、「夜間・休日等の対応」を挙げる割合が多かった。
○地域支援体制加算の届出薬局では、未届出の薬局に比べて医療機関と連携している傾向があった。
○令和3年8月から、地域連携薬局、専門医療機関連携薬局の認定制度が施行されており、令和3年10月末時点で、それぞれ1,053薬局、61薬局が認定されている。
後発医薬品調剤体制加算
○医療機関、薬局での後発医薬品の使用・調剤割合は増加している。また、一般名処方加算の算定割合は増加しており、一般名で処方された医薬品のうち、約85%が薬局で後発医薬品が調剤されている。
○後発医薬品の品質問題に端を発した不適正な事案を受けて、保険薬局が行ったことをみると、「該当する同一成分の後発医薬品の入手が困難なため、代替のための後発医薬品の調達を行った」が70.5%で最も多かった。また、診療所、病院医師が行ったことをみると、「当該品について、他の後発品(銘柄を指定した)を処方するようにした」が最も多かった。
○今般の後発医薬品メーカーによる不祥事等を踏まえ、後発医薬品の品質及び安定供給の信頼性の確保を柱とし、官民一体で、製造管理体制強化や製造所への監督の厳格化、市場流通品の品質確認検査などの取組を進めるとともに、後発医薬品の数量シェアを、2023(令和5)年度末までに全ての都道府県で80%以上とする目標を新たに設定したところ。
○後発医薬品調剤体制加算について、令和3年度の予算執行調査(財務省)において、令和5年度末までの新目標による適正化効果の増分が200億円と見込まれる一方、現行制度では年1,200億円程度とされており、費用対効果が見合っておらず、加算制度については、廃止を含めた見直しを行うべきであり、その際、減算については、対象を大幅に拡大するなど減算を中心とした制度に見直すべきではないか、と指摘されている。
○後発医薬品の使用割合は、毎月伸びてきているが、大型先発医薬品について新規に後発医薬品が収載された直後は、一時的に使用割合が低下又は伸びが鈍化することがある。そのため、後発医薬品の使用割合を維持するだけでも、一定の医療費適正効果があると考えられる。