(作業的ブログ)診療報酬改定の基本方針の確認2
2021/12/13
(1)新型コロナウイルス感染症等にも対応できる効率的・効果的で質の高い医療提供体制の構築【重点課題】
(基本的視点)
○今般の新型コロナウイルス感染症の感染拡大においては、局所的な病床・人材不足の発生、感染症対応も含めた医療機関間の役割分担・連携体制の構築等の地域医療の様々な課題が浮き彫りとなった。
○こうした中、新型コロナウイルス感染症患者への対応についてみても、重症者に対応する医療機関、中等症患者に対応する医療機関、回復後の患者に対応する後方支援医療機関、自宅・宿泊療養患者への医療を提供する医療機関、発熱患者等に対応する診療・検査医療機関、新型コロナウイルス感染症患者以外の患者も含め救急医療その他の通常医療に対応する医療機関など、各々の医療機関等がその機能に応じ地域医療を守るための役割を果たしており、かかりつけ医機能を担う医療機関を中心とした外来医療や在宅医療を含め、地域医療全体を視野に入れ、適切な役割分担の下、必要な医療を面として提供することの重要性も再認識された。
○当面、まずは足下の新型コロナウイルス感染症対応に引き続き対応していくことが重要である。今後の新興感染症等の感染拡大時にも機動的な対策を講じられるよう、医療法の改正により都道府県が策定する医療計画の記載事項に「新興感染症等の感染拡大時における医療」が追加されたところであり、今後、平時からの取組・感染拡大時の取組等について、あらかじめ地域の行政・医療関係者の間で議論・準備がなされていくことも必要である。
○一方で、その間も、人口減少・高齢化は着実に進みつつあり、医療ニーズの質・量が徐々に変化するとともに、労働力人口の減少によるマンパワーの制約も一層厳しくなりつつあることや、各地域において、こうした実態を見据えつつ、効率的・効果的で質の高い医療提供体制を維持していくため、医療機能の分化・連携の取組は必要不可欠であることなど、中長期的な状況や見通しは変わっていない。
○同時に、住み慣れた地域で自分らしい暮らしを続けることができるよう、住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供される地域包括ケアシステムを構築することは引き続き重要な課題であり、そのために、質の高い在宅医療・訪問看護を確保するとともに、急変時の救急医療体制等の確保を含め医療機関間・医療介護間等の連携の取組を推進することが重要である。
○こうしたことから、今般の感染症対応の経験やその影響も踏まえつつ、感染拡大時の短期的な医療需要には、各都道府県の「医療計画」に基づき機動的に対応することを前提に、今回の診療報酬改定においても、外来・入院・在宅を含めた地域全体での医療機能の分化・強化、連携を引き続き着実に進めることが必要である。