基本料区分別の加算届出状況と損益率から

2021/11/29

先週の中医協総会で取り上げられた「薬局の調剤基本料別の損益率」と、私が以前作成した基本料別の加算算定状況(2021年3月厚生局データより)を組み合わせ、分析してみた。

この時期になると、医療経済実態調査の結果をもとに、調剤基本料区分別つまりは薬局経営主体の規模別に損益率を評価するのが慣例となっている。そして、経営主体の規模が大きい薬局の損益率が高いという調査結果から、調剤基本料の効率化、適正化余地があるという方向に議論が煮詰まっていく。

しかし、本当にその議論は正しい方向に向かっているのだろうか。

表1を見ると、薬局の機能強化に積極的に取り組んでいるのは、基本料の低い薬局であるということが読み取れる。調剤基本料を補うために多くの加算算定に取り組むことで、結果として利益率が高まる。そして、その傾向は基本料の低い区分で顕著に現れている。

別の見方をすれば、基本料区分の設定が、薬局の機能強化を阻害しているとも言える。基本料区分によるコントロールは、いったいいつまで続くのだろうか。

図1(2021年11月26日中医協総会より)

表1:基本料別の加算算定状況(2021年3月厚生局データより)

※表1は、厚生局データをもとに、基本料区分を地域支援体制加算の届出有無で細分化し、その中の薬局が算定する4項目の加算(項目(かかりつけ薬剤師指導料(包括管理料)、無菌製剤処理加算、薬剤服用歴管理指導朗 4(オンライン服薬指導)、特定薬剤管理指導加算 2))の届出件数を合計したもの。

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