初診オンライン診療恒久化、 次の矛先は?
2021/09/23
久しぶりの中休み。いつもより少し遅めの朝食を頬張りながら朝刊を読んでいると、「今度はそうきたか」と唸る記事を見つけた。
「ネット診療の患者負担割高 平均900円加算、普及阻む 医療効率化へ見直し急務」
「患者「便利だが」割高敬遠 ネット診療、システム利用コスト医療機関「対面より手間」」
いずれも、9月23日付の日本経済新聞朝刊からだ。
コロナ禍におけるリモートコミュニケーションや規制緩和の拡大、関連する産業の需要喚起のために、同紙はオンライン診療・服薬指導を事あるごとに取り上げ、普及を後押ししてきた。
その成果があってかどうかは知らないが、政府の規制改革推進会議により初診恒久化に一定の目処がついた途端、次の矛先はシステム利用料、医療機関へのインセンティブに向けられた。
医療機関までの移動コスト(時間、費用)を考えれば、システム利用料が患者サイドに転嫁されるのには違和感がない。社会制度の整備に税金が投下されるという視点では、医療機関へ一定のインセンティブが振り分けられるのも合点がいく。だとすれば、システム利用料それを利用する患者、医療機関が折半すべき費用ということになる。
ネットショッピングの送料、ネットスーパーやフードデリバリーの配達料について、日本人は有料であることを受け入れ難い傾向にあるのだろう。同じ現象がオンライン診療・服薬指導にも現れている。そんな国民気質もDXを阻害する一因になっている気がしてならない。