中医協総会第2ラウンドへ 現状と課題、論点、そして意見に対する注目ポイント 〜分割調剤〜

2021/09/17

 現状と課題、論点、そして意見に対する注目ポイント 〜分割調剤〜

《注目ポイント》

・実効性のない分割調剤の制度設計は見直しされるのか?

・診療報酬改定は“患者の利便性”を考慮してくれるのか?

・対象となる患者層、薬剤はどうなるのか?

“リフィル”に対するアレルギーの所以は?

・諸外国では一般的な既存制度の導入を論ずる必要性は?


(以下、2021年9月15日中医協総会資料より抜粋)

【現状と課題】

(全体)

○ 処方箋発行枚数及び処方箋受取率は、これまで右肩上がりで増加していたが、新型コロナウイルス感染症が拡大した令和2年度の処方箋発行枚数は大幅な減少がみられた。

○ 1薬局当たりの年間処方箋枚数は近年同程度で推移しているが、薬局薬剤師 1 人当たりの年間処方箋枚数は減少傾向が続いている。

○ 調剤報酬の技術料のうち、「調剤料」の占める割合は近年減少傾向にあるが、引き続き技術料の 50%を超えており、対人業務を評価する「薬学管理料」の占める割合は、近年増加傾向にあるものの、20%程度となっている。

○ 薬局における薬剤師の業務は、「患者のための薬局ビジョン」や改正薬機法に基づき、医療機関等との連携、在宅医療への対応など、かかりつけ薬剤師・薬局の普及・機能充実等の取組が進みつつあるものの、地域において薬剤師が役割を十分に発揮するためには、薬剤の調製などの対物業務を医療安全確保のもと適切かつ効率的に実施することが重要であり、その前提のもと、引き続き、対物中心の業務から、患者・住民との関わりの度合いの高い対人業務へとシフトすることにより、薬物療法や健康維持・増進の支援に一層関わり、患者・住民を支えていくことが求められる。

(対物業務)

○ 調剤基本料は薬局の構造・設備や医薬品の備蓄等の体制整備に関する経費を評価したものであり、薬局経営の効率性を踏まえて区分を設定している。

○ 調剤料については、令和2年度診療報酬改定において、対物業務から対人業務への構造的な転換を進めるため、内服薬の調剤料について評価を見直した。

(対人業務)

○ 同一薬局の利用による薬剤の一元的な把握等により、重複投薬や残薬の解消が期待できると考えられるが、高齢者では複数の医療機関を受診することが多く、受診する医療機関が増えるほど、利用する薬局の数も増える傾向にある。

○ かかりつけ薬剤師指導料等の算定回数、算定薬局数は近年横ばいである。算定回数は全処方箋枚数の 1.5%程度であり、患者年齢別にみると 10 歳未満、60 歳以上での処方箋枚数に対する算定割合が高くなっている。

○ 令和2年度診療報酬改定では、薬剤服用歴管理指導料について、同一薬局の利用を推進するための見直しを行った。また、薬局において吸入薬指導を実施した結果や糖尿病患者に対してフォローアップを実施し、処方医に指導結果や患者の状況等をフィードバックした場合の評価を新設した。


【論点】

○ 薬局・薬剤師が、対物中心の業務から、患者・住民との関わりの度合いの高い対人業務へとシフトすることにより、薬物療法や健康維持・増進の支援に一層関わり、患者・住民を支えていくことが重要であることを踏まえ、診療報酬のあり方について、どのように考えるか。

○ かかりつけ薬剤師・薬局の普及の促進、多剤・重複投薬への取組、処方箋の反復利用など、「経済財政運営と改革の基本方針 2021」等を踏まえた今後の対応について、どのように考えるか。

 

【主な意見】

(分割調剤)

分割調剤が行われていない理由について分析を進めるとともに、現場でより運用しやすいように、例えば、トレーシングレポートの利活用を前提に、3枚連記ではなく、1枚の処方箋様式にするなどの検討を行い、医療機関と薬局、医師と薬剤師との適切かつ確実な連携の下での一定期間内の処方箋の反復利用について議論することが必要。

○ 医師の指示による分割調剤は年々減っており、その要因としては制度が認知されていないこともあるとは思うが、必要性を感じないことや、使ってみたが連携ができないなど有用性を感じられないということもあるのではないか。

諸外国と同様に、我が国でも分割調剤できる薬剤を制限するという議論をしてもよいのではないか。

〇 長期処方は残薬リスク・多剤投与に気づきにくくなる等、患者の薬物療法と、保険財政に対する弊害が多いにも関わらず、長期処方を助長するという方向性については反対。

○ 分割調剤について、現行の煩雑な仕組みは今後も普及しないことは明らかであり、抜本的な見直しが必要。生活習慣病のように病状が急変しない患者や、長期にわたり同じ処方が繰り返されている患者については、あくまで医師の判断で決める範囲内において、処方箋を繰り返し利用できることも選択肢として考えるべき


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