中医協総会第2ラウンドへ 現状と課題、論点、そして意見に対する注目ポイント 〜調剤基本料、調剤技術料、薬学管理料〜
2021/09/21
現状と課題、論点、そして意見に対する注目ポイント 〜調剤基本料、調剤技術料、薬学管理料〜
《注目ポイント》
・調剤報酬の構造的改革はどこまで進むか?
・調剤基本料の施設基準は見直されるのか(枚数・集中率→他の要素)?
・地域連携薬局、専門医療機関連携薬局への加算は新設されるのか?
・地域支援体制加算は、かかりつけ薬局、地域連携薬局、専門医療機関連携薬局の3階建てになるのか?
・患者目線で対物から対人へという方向性とは?
・調剤技術料の再引き下げはあるのか?
・対人業務は本当に対物業務ありきなのか?
・20年度改定で新設された薬学管理料の評価は?
(以下、2021年9月15日中医協総会資料より抜粋)
【現状と課題】
(全体)
○ 処方箋発行枚数及び処方箋受取率は、これまで右肩上がりで増加していたが、新型コロナウイルス感染症が拡大した令和2年度の処方箋発行枚数は大幅な減少がみられた。
○ 1薬局当たりの年間処方箋枚数は近年同程度で推移しているが、薬局薬剤師 1 人当たりの年間処方箋枚数は減少傾向が続いている。
○ 調剤報酬の技術料のうち、「調剤料」の占める割合は近年減少傾向にあるが、引き続き技術料の 50%を超えており、対人業務を評価する「薬学管理料」の占める割合は、近年増加傾向にあるものの、20%程度となっている。
○ 薬局における薬剤師の業務は、「患者のための薬局ビジョン」や改正薬機法に基づき、医療機関等との連携、在宅医療への対応など、かかりつけ薬剤師・薬局の普及・機能充実等の取組が進みつつあるものの、地域において薬剤師が役割を十分に発揮するためには、薬剤の調製などの対物業務を医療安全確保のもと適切かつ効率的に実施することが重要であり、その前提のもと、引き続き、対物中心の業務から、患者・住民との関わりの度合いの高い対人業務へとシフトすることにより、薬物療法や健康維持・増進の支援に一層関わり、患者・住民を支えていくことが求められる。
【論点】
○ 薬局・薬剤師が、対物中心の業務から、患者・住民との関わりの度合いの高い対人業務へとシフトすることにより、薬物療法や健康維持・増進の支援に一層関わり、患者・住民を支えていくことが重要であることを踏まえ、診療報酬のあり方について、どのように考えるか。
【主な意見】
(対物業務から対人業務への構造的な転換の推進、調剤報酬の在り方等)
〇 対物業務と対人業務の両方が成り立ってこそ安全安心な医薬品提供ができるものであり、診療報酬上の評価については、現場への影響やバランスを見ながら検討すべき。
〇 医療安全という観点においても、対物業務がしっかりとなされていることが大前提であり、その上での対人業務への移行であるべき。
〇 対物業務から対人業務への移行について、前回の診療報酬改定の影響等を踏まえ、エビデンスに基づき検証した上で、患者目線で対物から対人へという方向性を進めていくべき。
〇 いまだに対物業務だけで経営が成り立つ報酬制度となっているため、対人業務について薬局が対応できていない実態があるのではないか。
〇 調剤基本料については、処方箋受付枚数と集中率で区分するのではなく、薬局の機能に応じて設定し、対人業務を中心とする薬局と、調剤に偏重し効率性のみを追求する薬局で明らかな差を付けるべき。
○ 改正薬機法の地域連携薬局及び専門医療機関連携薬局と、地域支援体制加算との関係を整理することが必要ではないか。