中医協総会第2ラウンドへ 現状と課題、論点、そして意見に対する注目ポイント 〜かかりつけ薬剤師・薬局、重複投薬、ポリファーマシー及び残薬等への対応〜

 2021/09/22

現状と課題、論点、そして意見に対する注目ポイント 〜かかりつけ薬剤師・薬局、重複投薬、ポリファーマシー及び残薬等への対応〜

《注目ポイント》

・かかりつけのより一層の推進とは?

・小児、高齢者を除く慢性疾患患者におけるかかりつけ薬剤師指導料の算定状況の意味するところは?3割負担?

・地域連携薬局、専門医療機関連携薬局、その他の薬局で調剤報酬上のかかりつけ機能は分類されるのか?

・マイナンバーによる投薬歴確認を大前提として、調剤報酬はどう変わるのか?

・ポリファーマシー解消は進むのか?


(以下、2021年9月15日中医協総会資料より抜粋)

【現状と課題】

(全体)

○ 処方箋発行枚数及び処方箋受取率は、これまで右肩上がりで増加していたが、新型コロナウイルス感染症が拡大した令和2年度の処方箋発行枚数は大幅な減少がみられた。

○ 1薬局当たりの年間処方箋枚数は近年同程度で推移しているが、薬局薬剤師 1 人当たりの年間処方箋枚数は減少傾向が続いている。

○ 調剤報酬の技術料のうち、「調剤料」の占める割合は近年減少傾向にあるが、引き続き技術料の 50%を超えており、対人業務を評価する「薬学管理料」の占める割合は、近年増加傾向にあるものの、20%程度となっている。

○ 薬局における薬剤師の業務は、「患者のための薬局ビジョン」や改正薬機法に基づき、医療機関等との連携、在宅医療への対応など、かかりつけ薬剤師・薬局の普及・機能充実等の取組が進みつつあるものの、地域において薬剤師が役割を十分に発揮するためには、薬剤の調製などの対物業務を医療安全確保のもと適切かつ効率的に実施することが重要であり、その前提のもと、引き続き、対物中心の業務から、患者・住民との関わりの度合いの高い対人業務へとシフトすることにより、薬物療法や健康維持・増進の支援に一層関わり、患者・住民を支えていくことが求められる。


【論点】

○ 薬局・薬剤師が、対物中心の業務から、患者・住民との関わりの度合いの高い対人業務へとシフトすることにより、薬物療法や健康維持・増進の支援に一層関わり、患者・住民を支えていくことが重要であることを踏まえ、診療報酬のあり方について、どのように考えるか。

○ かかりつけ薬剤師・薬局の普及の促進、多剤・重複投薬への取組、処方箋の反復利用など、「経済財政運営と改革の基本方針 2021」等を踏まえた今後の対応について、どのように考えるか。

【主な意見】

(かかりつけ薬剤師・薬局)

○ 現場におけるかかりつけの意識付けは進んでいるが、より一層の推進が必要。

かかりつけ薬剤師指導料について、乳幼児、小児、高齢者の比率が高いことはわかったが、複数の慢性疾患を有する患者に対する算定状況などを確認しつつ検討を進めていくべき。

〇 かかりつけ薬剤師・薬局については、オンライン資格確認等システムの機能を活用した重複投薬やポリファーマシーに対する取組など、多様な役割が期待されており、新たに認定制度ができた地域連携薬局や専門医療機関連携薬局などを含め、各薬局の役割、機能連携を明らかにした上で、その役割と効果に見合う検討をしていくことが重要。


(重複投薬、ポリファーマシー及び残薬等への対応)

〇 ポリファーマシー対策については、薬局だけではなく、様々な関係者の取組が必要連携や情報共有は ICT の活用により効率化できるものでもあり、診療報酬で評価すればそれが解決できるものではない

○ ポリファーマシー対策について「高齢者の医薬品適正使用の指針(総論編)」等を利用できるような診療報酬上の条件付けもあると、より対策も進むのではないか。

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