大たん予想?!2022年調剤報酬改定と骨太方針を考える その3 〜バイオシミラー〜
2021/06/16
6月9日公表の骨太方針2021の原案より、次期調剤報酬改定に直接的に影響するであろうポイント(一部改編)を抜き出しコメントしていく(オレンジは関連するであろう調剤報酬点数等)。
2.バイオシミラー
- 目標設定の検討 《政府目標、BS目標値 数量?金額?》
- (後発医薬品に係る)新目標との関係を踏まえた後発医薬品調剤体制加算等の見直し 《【調剤】後発医薬品調剤体制加算》
- フォーミュラリの活用等 《フォーミュラリ》
- 更なる使用促進 《【調剤】後発医薬品調剤体制加算、保険者による介入》
AnswersNewsによる「【2019年度 国内医薬品売上高ランキング】「キイトルーダ」トップに…「タグリッソ」など売り上げ急増」を参考に計算してみたところ、国内売上高TOP30のうちバイオ医薬品は11品目(BS有無を問わない)あり、売上構成比では約40%となっている。コロナ禍で強調された国際的な医薬品開発競争力の差を考えれば、薬価改定等による政府主導の薬剤費削減には限界があり、医師、薬剤師、患者の善意と選択権に調整を委ねるしかないというのが正直なところではなかろうか。
低分子薬とは異なり一般的名称が異なるバイオシミラーの推進役は今のところ医師と医療機関のみである。その大部分が院内で使用されている実態を考えると、医師や医療機関のみにインセンティブが付くことは極めて合理的であり、既存の枠組みでは他に効果的な方策は考えづらい。しかし、低分子薬時代のジェネリック推進が薬局・薬剤師や保険者の努力によって拡大してきたことを考えれば、その2者に対するインセンティブも十分に可能性がある。
備えあれば患いなし。「もしもBSへの代替調剤が可能になったら?」を薬局・薬剤師的に考えてみるのも面白いかもしれない。