大たん予想?!2022年調剤報酬改定と骨太方針を考える その5 〜一定期間内に処方箋を反復利用できる方策〜
2021 /06/18
6月9日公表の骨太方針2021の原案より、次期調剤報酬改定に直接的に影響するであろうポイント(一部改編)を抜き出しコメントしていく(オレンジは関連するであろう調剤報酬点数等)。
4.(その他)
- 症状が安定している患者について、医師及び薬剤師の適切な連携により、医療機関に行かずとも、一定期間内に処方箋を反復利用できる方策を検討し、患者の通院負担を軽減する 《反復利用できる処方箋》
骨太の方針2021(原案)で示された「一定期間内に処方箋を反復利用できる方策」の出どころを辿ると財政健全化に向けた建議(2021年5月21日)に行き着く。その中には、「長期処方について、依存性の強い向精神薬については抑制するなどのメリハリは付けつつ、患者の通院負担の軽減や利便性向上の観点から、病状が安定している患者等について、一定期間内の処方箋を繰り返し利用することができる制度(リフィル制度)の導入を令和4年度(2022 年度)から図るべきである」とあり、(原案)の表現はリフィル制度から読み替えられたものであるということが分る。
「リフィル」というキーワードは出ては消え、出ては消えを繰り返している印象があるが、いったいいつ登場した言葉なのだろう。いろいろな資料を掘り返していると、2015年6月30日閣議決定の規制改革実施計画にたどり着いた。これが初発かどうかは不明だが、その資料には「リフィル処方箋の導入や分割調剤の見直しに関する検討を加速し、結論を得る。(2015年度検討・結論)」とある。その後、分割調剤の仕組みはマイナーチェンジを経て今に至るが、財政審が期待したほどの成果には結びついていないだろうと思われる。
今回はどこまで関係者への根回しが進んでいるのだろう。次期改定の審議は例年よりもスタートが遅れている上、オンライン診療の拡大などの懸案事項もあり、審議不十分で流れる可能性が高いようなきがする。