大たん予想?!2022年調剤報酬改定と骨太方針を考える その2 〜後発医薬品〜
2021/06/15
6月9日公表の骨太方針2021の原案より、次期調剤報酬改定に直接的に影響するであろうポイント(一部改編)を抜き出しコメントしていく(オレンジは関連するであろう調剤報酬点数等)。
1.後発医薬品
- 新目標についての検証 《政府目標、後発医薬品数量シェア》
- 品質及び安定供給の信頼性確保 《規制当局、製薬企業による取組み》
- 保険者の適正化の取組にも資する医療機関等の別の使用割合を含む実施状況の見える化 《医療機関等の後発医薬品数量シェアを公表》
- (後発医薬品に係る)新目標との関係を踏まえた後発医薬品調剤体制加算等の見直し 《【調剤】後発医薬品調剤体制加算》
- フォーミュラリの活用等 《【調剤】後発医薬品調剤体制加算》
- 更なる使用促進 《【調剤】後発医薬品調剤体制加算》
一般紙、業界紙による情報から推し測ることしかできないが、ジェネリック医薬品については過去に例を見ないほど混迷の様相を呈しており、利害関係者への何らか特別なケアがないまま、単純な使用促進は図れないのではないかと考えている。
診療報酬・調剤報酬改定における方向性は極めてシンプルで、施設基準となる数量比率と付随する点数のコントロールに尽きる。梯子外しの予測もあるが、フォーミュラリー確立や上市成分数の見直しが行われない限り、特許品である同種同効薬への処方変更も慣例的に継続される。もちろん、ある一定割合で長期収載品からジェネリックへの切替は進むが、DPP-4阻害薬やGLP-1作動薬、P-CAB系胃酸分泌阻害薬など比較的大粒な製品の特許切れがこれから始まることを考えれば、加算の仕組みは当面持続していくと考えている。
フォーミュラリーは直接的に関係するのは処方権を持つ医師と医療機関ではあるが、薬局・薬剤師にとっても知らぬ存ぜぬでは済まされないトピックになるだろう。例えば、地域連携薬局の施設基準に盛り込まれた「地域DI室」には、有効性・安全性と経済性によって策定されたフォーミュラリーの根拠を説明するような役割も広義には求められていると考えることもできる。
現状を鑑みた寛大な措置がなされるのか、それとも既定路線はあくまでも崩さないという姿勢が貫かれるのか。今後の医薬品行政に注目したい。