大たん予想?!2022年度調剤報酬改定のポイント⑫
2021/06/04
2020年診療報酬改定に係る答申書附帯意見に対するコメントは今回で最後となる。一旦の区切りをつけて、次回からは別のテーマに移ることとする。
水色:附帯意見からの抜粋
▷ :個人的見解(思考整理のための備忘録として)
(後発医薬品の使用促進)
・バイオ後続品を含む後発医薬品使用後のさらなる推進のために、医療機関や薬局における使用状況を調査・検証し薬局の在り方や診療報酬におけるさらなる使用促進策について引き続き検討すること。
▷後発医薬品の使用促進については、診療報酬改定前になるといつものことだが、ハシゴが外される、減点評価になる、数量から金額シェアに基準が変わる等、いろいろな噂が飛び交い始める。
そんなわけで、特段に論じる点がないというのが正直なところだが、1つだけ取り上げるとするならばそれはバイオ後続品(以下、BS)の取り扱いになる。
BSの先行品は薬価が高額なものがほとんどで、初収載時の薬価が7掛けであったとしても、薬剤費削減効果は大きくなる。そのため、政府としては先行品からBSへの切替えを推し進めたいところだが、一般的名称がそれぞれで異なるため、促進ドライバーである薬局での変更調剤が原則として不可となっている。
医師のみに委ねていてはなかなか切替えが進まないのは、過去の後発医薬品推進策を振り返ってみれば明白である。したがって、薬局・薬剤師が切り替えやすい環境整備が急務であり、それに係る改定が2022年度に行われると考えている。
例えば、備考欄に設けられた後発医薬品変更不可の意思表示欄と同様に、バイオシミラーの切替意思を示すチェックボックスの類が新設される可能性があるだろう。そうすることで、薬局・薬剤師による変更調剤が制度上可能となり、今後上市が増えるBSの活用が進むことになる。