4/15財政審「既存医薬品の保険給付範囲の見直し」を見て思うこと

2021/04/20

4月15日の財政審では、社会保障費全般に係る見直しへの提言が行われた。

 6月頃の骨太の方針策定へ向けた一種の恒例行事になりつつあるが、診療報酬改定、薬価改定を翌年度に控えたタイミングでは、看過しようにもどうしても気になってしまうのが医療業界に身を置くものの性だろう。

先日の財政審では、新しく、そして非常に興味深い切り口から、「既存医薬品の保険給付範囲の見直し」が提言されている。

例年同様に漏れなく俎上に上がっているのが「既存医薬品の保険給付範囲の見直し」、いわゆるOTC類似薬の保険外しについてだ。

保険給付対象から除外された実例には、ビタミン剤(栄養補給目的)、うがい薬単剤処方(治療目的以外)、70枚超の湿布薬がある。そして、今後のターゲットには、花粉症治療薬(OTC類似)、保湿剤(単剤での処方)が挙がっている。この2薬効群を主力品とする製薬企業にとっては非常に脅威となる議論のテーマだ。

ちなみに、マルホ株式会社の第71期有価証券報告書によれば、同社の売上に占める保湿剤(ヒルドイド)の割合は約5割(2020年9月期)とのことだ。他の外用剤と併用されない、単剤処方の割合がどれほどあるのかは不明だが、一旦保険除外が容認されれば、次はその範囲拡大へと議論が移ることだろう。そういう意味で、非常に危うい議論が行われていることになる。

同社以外に肝を冷やしているのは、ジェネリック医薬品メーカーではなかろうか。花粉症治療薬は特許切れ後速やかにジェネリックへと置き換わる印象がある。つまり、花粉症治療薬の保険給付除外で、痛手を被るのはその恩恵をを享受しているジェネリック医薬品メーカーということだ。

「既存医薬品の保険給付範囲の見直し②」では、0410対応によって処方された医薬品のほとんどをOTC類似薬が占めていることを指摘している。オンライン診療拡大の是非は、現在「オンライン診療の適切な実施に関する指針の見直しに関する検討会」にて議論が進められているところであるが、5感を使った診療ができないオンライン診療は通常診療を100%代替するものではないという意見がある。つまり、それは臨時的でありながらも非緊急的で、どちらかと言えば軽度な診療・処方が実施されるシーンであれば容認されるような印象がある。

 財政審はそこを突いてきたのではないだろうか。つまり、オンライン診療⇒軽度⇒処方されている薬剤も軽い薬効群⇒OTC類似薬が多い⇒保険給付除外またはOTC購入対応にすべき、という論法だ。恐るべし財務省。目の付け所が違う・・・

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