一斉試験のあり方とその価値

2020/12/06

明日はとある検定試験を受験する。3月の試験が中止になってからというもの、受験者の制限で申込み自体が狭き門となっていたため久々となる。

2020年は一斉試験の実施形式とその価値を再考する1年となった。

試験と言ってもその用途や価値は様々だ。

漢検や英検のように、ある分野における習熟度を図る検定試験もあれば、ある職業に適合する技術を証明する認定試験や、国家資格試験のようにそれに合格しなければ免許を取得できないものがある。

例えば検定試験のひとつであるTOEICでは、試験会場当たりの人数を減らすために、1日の実施回数を午前・午後の2回に変更する措置をとった。試験会場の人口密度を薄くすることで一斉試験の形式を保持し、従来の試験レベルを維持することを可能とした。

医薬情報担当者(MR)の認定試験は、集合形式の一斉試験は行わず、CBT形式、テキスト確認OKで全問正解で合格という仕様になった。つまり、回答や受験自体を放棄した場合を除いて、理論上は全員が合格できることになる。

医師、薬剤師、看護師などの国家試験はどうなるのだろう。陽性者は受験不可、追試なしという試験もありそうだが、本当にそれで納得感を得られるのだろうか。インフルエンザであればワクチン接種である程度のリスクヘッジはできるが、今回の場合はそうも行かない。

発熱した場合は、Nsaidsを多めに服用してでも受験しようとする学生が出てきてもおかしくないだろう。不戦敗で1年を棒に振るか、たとえ体調不良でも合格の可能性に架けて受験するのか。おかしな騒動にならないことを祈るばかりだ。

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