医療用医薬品の絞り込み

 2020/10/05

8月28日、コロナ禍の真っ只中でスタートした検討会議のひとつが取りまとめを迎えた。

「医療用医薬品の安定確保策に関する関係者会議」は、医薬品の安定供給の責務は、一義的には各企業にあるものの、重要な医薬品については、国による積極的な関与が必要との前提に立ち始まった。この会議を通して、長年医療現場で汎用され、安定確保について特に配慮が必要な医薬品を選定し、カテゴリを考慮しつつ、安定供給に向けた対策を講じるというものだ。

「汎用され安定確保に特に配慮が必要な医薬品」は、いわゆるエッセンシャルドラッグという概念に近い医薬品だろう。

取りまとめまでに作成された医薬品リストは、日本医学会傘下の主たる学会の各専門領域において、医療上必要不可欠であって、汎用され、安定確保が求められる医薬品として、専門領域ごとにそれぞれ10成分を検討対象として提案されたものである。

8月28日までに取りまとめられた医薬品リストは、今後さらに検討、精査が進められることになっている。

ところで、医薬品リストと言えば、もう一つ気になるのがフォーミュラリーだ。厚生労働省保険局医療課の紀平哲也薬剤管理官が日刊薬業のインタビューに応じた際、「2020年度診療報酬改定で導入が見送られたフォーミュラリーの評価を巡り、実際に作成している医療機関の実態を把握するため、新たに厚労科学特別研究班を立ち上げる考えを明らかにした(引用:2020年9月25日日刊薬業より)」。

エッセンシャルドラッグとは異なる流れではあるものの、薬価収載された医薬品の絞り込み、淘汰が進むことは間違いない。


参考:医療用医薬品の安定確保策に関する関係者会議


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