ヤバイよ、製薬企業のMR㊲
2020/08/18
お盆休み前から製薬業界に漂い始めた不穏な空気がより一層重苦しくなってきた。
AZ 国内の支店・営業所 21年4月目途に全て閉鎖 第一弾は8月末、東京支店など(ミクスOnline、2020年8月17日)
武田薬品工業、国内で希望退職募集 30歳以上対象(日本経済新聞・電子版、2020年8月17日)
目的と手段は異なるにせよ、いずれもコストダウンが絡む営業体制の再構築だ。
もう一つ共通するのが、コロナ禍が示した事実が決行の引き金となったことだ。
医療機関の訪問規制による活動自粛に始まり、在宅ワークは数ヶ月に及んだ。緊急事態宣言の解除とともにやっと自粛明けかと思ったが、医療機関の状況は厳しく、リアルでの面談規制は継続し、オンラインによる面談、製品説明が始まった。
社内業務や会議体についても、リモートを主体としたコミュニケーションで十分事足りることが実体験として確認できた。営業所の常設はもはや意味をなさないと誰しもが感じたことだろう。
極めつけは、患者数や長期処方の動向と売上の増減がきれいに相関し、営業活動量の減少による影響は極めて小さいということがデータで示されたことだ。
7月下旬には、日本ケミファのMRを対象とする早期退職者の募集が報じられたばかり。嫌な予感がしてならない。