風が吹けば桶屋は儲かるかもしれないが、COVID-19拡大で医療業界は儲からない!②
2020/06/10
調剤に関しては、医科の傾向に類似しているものの、件数は微減であるにもかかわらず、金額の落ち込みが医科よりも大きいという差異に着目すべきである。
2020年3月は、昨年同月と平日(日曜・祝日を除く)の日数は同じだが、土曜日は1日少ないというカレンダーになっていた。つまり、外来診療という観点では、本年3月のほうが稼働日数的に優位であり、何事もなければレセプト件数と金額は昨年を上回って当然ということになる。
しかし、2020年3月は新型コロナウイルス感染症の拡大によって、医療機関や薬局は大きな経営的インパクトを受けた。風が吹けば桶屋は儲かるかもしれないが、感染症拡大で医療業界は儲からないのだ。
6月2日に社会保険診療報酬支払基金が公表した「令和2年度3月診療分」レセプトの支払確定件数・金額を見てみることにする。
稼働日数が昨年同月よりも若干多い(土曜日分0.5日)にも関わらず、本年3月のレセプト確定件数は大幅に減少している。スギ花粉の飛散量が昨年よりも少なかったという理由だけで、この落ち込みを説明することはできない。
金額が大幅に落ち込んだ一方で、件数はなんと例年並みに留まっており、レセプト1件当たりの金額が少なかったということが推察される。
これはいったいどういうことなのだろう。
診療科別の件数、金額を見ることで、その疑問に迫っていく。
調剤(件数)
調剤(金額)
3月は薬価改定前であり、薬価ダウンによるレセプト金額の減少は考えづらい。だとすれば、処方薬剤の種類数が減ったか、後発品への切替が特異的に進んだか、もしくは技術料の算定が少なかったかのいずれかが要因と考えれられる。
可能性として高いのは、技術料の減少ではないだろうか。
3密を敬遠する患者が窓口で急かしたり、電話・オンライン服薬指導を選択することで、十分な指導ができなかった可能性があると分析しているが、いかがだろうか。
To be continued...