ヤバイよ、製薬会社のMR⑪

2020/02/09

前回⑬からの続きになる。

医療制度改定によって、ヒト(患者)と、モノ(薬剤)の流れは変化する。

2020年4月には診療報酬改定が施行され、新しい報酬制度の下で医療が提供される。つまり、ヒトとモノの流れにまだ僅かな変化が生じることになる。

それに気付けるかどうかは、MR個人次第だ。プロダクトオリエントに偏重する製薬企業の上層部が、現場で起きる微かな変化に気付くのは不可能に近い。

例えば、調剤薬局で購入する医薬品の半分以上が、すぐ近くにあるクリニックの処方によるものではない、というような現実は日常茶飯事だ。

2020年度改定では、複数医療機関で発行された処方箋を、1つの薬局に持参した場合のインセンティブが患者につく。かかりつけ薬剤師の浸透によって、自分のかかりつけ薬局へ処方箋を持参する患者が増えているとは思うが、その流れが更に加速する。

オンライン診療・服薬指導も流れに変化を引き起こす。遠隔服薬指導の場合は、登録薬局は少数であったため、どの薬局に処方箋が流れるかが明白であった。4月からオンライン服薬指導が本格した場合、届出薬局を調べる術をあなた(MR)は知っているだろうか。

更に、服薬指導場所の規制が緩和されれば、MR個人の担当ではない医療機関の処方箋が一か所の調剤センターに集約される、というような構造変化が起こり得る。そうなれば、もはや個人に課せられる売上目標には根拠が無くなる。売上目標を個人に配分することなく、チームで追うものにしたとしたら、問題は解決するだろうか。

人気の投稿