ヤバイよ、製薬会社のMR⑰

2020/02/29

MRの業務で負担感の大きいものの一つが、日々の営業活動の記録だ。

厚生労働省の「販売情報提供活動ガイドライン」の施行によって、医師など医療関係者に対してどのような資料を用いて、どのような話をしたのか、口頭でのやり取りを含めた情報提供活動の記録が義務付けらた。

営業活動で移動する時間が多いMRにとって、PCやタブレットを用いて自社システムにログインし、記録を残すという行為は非常に負担感が大きい。記録という点では、医師や薬剤師においても負担感の大きい業務だと思うが、カルテや薬歴への入力と異なる点は、医療従事者との面談と同時進行ではできないというところにある。

いっそのこと医療従事者とのやり取りを音声認識AIを用いて全て記録してしまうという発想もあるだろうが、これには医療従事者に対する事前の丁寧な説明が必要になる。実現は難しいだろう。

MRの記録業務を少しでも楽にするようなシステム開発が急がれるところである。2月28日のミクスOnlineに、東芝DSL(デジタルソリューションズ)が開発した「RECAIUS報告エージェント」を中外製薬が採用したという記事が掲載された。

当該AIエージェントは、音声入力によって業務記録を支援してくれるという。音声認識AIによって、訪問先、日時、面談内容をそれぞれテキスト化し、情報の種類ごとに分類して登録してくれるようだ。

業務負担が減るという観点では朗報だと思う。しかし、タイピングによる文字入力ではいろいろと脚色もできただろうが、自身の音声ではそれが難しくなる。良心のある人間は普通抵抗感を感じるはずだ。少々面倒になるという意識もないわけではない。

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