2020年度調剤報酬改定(薬学管理料・細分化による点数新設可能性のある項目)
「対物から対人へ」というキーワードは薬剤師のマインドや業務の時間配分はもちろんのこと、調剤報酬自体の構成比も大きく変わることになるだろう。現在、調剤技術料の20%を占める薬学管理料の構成比を引上げるには、現在の点数項目への配点を増やすだけでは無理がある。薬剤服用歴管理指導料の算定要件を追加するという手法もあるが、それではどのような対人業務を行っているかが顕在化されず、適正な報酬配分ができないという問題点がある。薬剤服用歴管理指導料という大きな受け皿の中で、各々薬局、薬剤師が行っている業務は千差万別だ。真の意味で「対物から対人へ」を反映するには、努力や工夫が適正に評価される点数配分となる必要がある。そのためには、現状の薬剤服用歴管理指導料を少しずつ解体し、指導業務ごとに薬学管理料を細分化することが必要になる。次回改定の議論では「吸入薬の指導」、「簡易懸濁法の指導」、「検査値に基づいた指導」、「糖尿病患者への指導」等の薬学管理料の項目が複数示されている。調剤報酬へ新設するには多すぎる項目で、調剤料からの付け替えだけでは財源がまかなえない。中医協総会では委員からは、「(薬剤服用歴管理指導料の範疇で)既に点数評価されている行為に対して、なぜ追加評価する必要があるのか」という主旨の発言があったようだ。厚労省からは「点数の上乗せではありません、薬学管理料の再設計です」という回答はなかったものの、今後の方向性は2020年度改定で明らかとなるだろう。 #018