かかりつけへの圧力

2019/11/18

2018年度の診療報酬改定では、「多剤服用の解消」における処方医療機関と保険薬局の連携を評価する点数が新設された。

そして、来る2020年度改定では、「重複投薬解消」に新たな評価スキームが加わる可能性が出てきた。

今朝のミクスOnlineには、11/15に開催された中医協総会の議論を受け、「厚労省 重複投薬解消でかかりつけ医と薬局との連携評価を提案 中医協総会」という見出しの記事が掲載された(詳しくは中医協総会の資料を見るか、上記の表題をクリックしてミクスOnlineの記事(無料)をご確認のこと)。

新設されるかどうかはまだ分からないが、この評価スキームのポイントに着目してみたい。キーワードは、かかりつけ医、薬局、服用薬(重複状況含む)の把握、他医療機関との連携が挙げられる。


患者の服薬状況を一元管理することで重複投薬の状況を把握し、その解消に努めるのは薬剤師のかかりつけ業務であり、それを評価する点数は既に存在する。とすれば、提案された医科診療報酬における評価点数の新設は、「薬局・薬剤師だけでは、医療機関の医師に働き掛けて重複薬剤の削除が困難だろうから、一肌脱いであげようか」的なものになると捉えることができる。

さらに深読みすれば、患者の服薬状況を一元的に把握することはかかりつけ薬剤師の重要な役割の一つであり、上記の評価スキームが当てはまるのはかかりつけ医とかかりつけ薬剤師の連携ということになる。つまりは、地域包括診療料を算定する医療機関と連携する(したい)薬局・薬剤師は必然的にかかりつけ薬剤師であらなければならないということも考えられるのだ。重く圧力が加わる可能性もある。

薬剤総合評価調整管理料(医科)等・服用薬剤調整支援料(調剤)と同様に混迷を極める新設点数になる予感がしてならない。

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