かかりつけ「「24時間体制」は大規模・集約化への引導だ

2019/11/11


今日は仕事終わりに社外の集会に参加し、次期診療報酬改定を含めた医療行政についてざっくばらんな意見交換を行った。他の参加者の意見を聞きながら、部屋の中を見渡していると、ミーティングルームの壁に「働き方か改革推進!」と書かれた張り紙を見つけた。

一般企業は固より、最近では医療業種の働き方改革についても真剣に議論される風潮になってきている。労働集約型サービスである医療産業においては非常に困難なテーマだが、過労死やメンタルヘルスは医療職種においても深刻な問題であり、その解決策のひとつが働き方改革であることに議論の余地はない。

一方で、薬局・薬剤師に求められるかかりつけ薬剤師の要件には「24時間体制」が要請されており、時代に逆行した制度だという批判がある。一人のかかりつけ薬剤師が契約者全員の電話を受ける必要はないにしろ、薬局全体で誰かは輪番体制にある必要があるという点ではなかなか厄介な制度であることは間違いない。

最近、公立・公的病院の再編・統合の一覧が厚労省から公表され話題となった。地域医療構想がなかなか進まない現状に業を煮やして、半ば意図的にやったのではないかと邪推すらしてしまうが、各自治体への警鐘としては十分に効果的だったと考えている。

話を「かかりつけ・24時間体制」に戻す。

薬局全体で「かかりつけ・24時間体制」をスムーズに回そうとすると、ある程度の人員確保が必要になる。つまり、個人店や小規模チェーンでは対応できないため、調剤産業は大規模集約化へ向かわざるを得ないということになる。すなわち、この「かかりつけ・24時間体制」は薬局業界に突き付けられた再編・統合への引導と捉えることもできるのだ。

「働き方改革推進!」の張り紙から膨らんだ妄想をしたためてみた。

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