<勝手に解説、R2改定> 190925調剤報酬(その1)について


R2改定へ向けて中医協資料等を勝手に解説します。
ご意見お待ちしております!











〇どのボリュームゾーンの調剤基本料を引き下げるかを検討するためのデータだろうか?受付回数はこれまでも取り上げられてきた指標だが、勤務薬剤師の常勤換算数はどのように使われるか?(2019/10/02)



〇医療機関に従事する薬剤師数の推移は緩やかだが、薬局従事者数は顕著に増加している。調剤薬局の軒数、分業率の状況を考えれば、当然の結果であるが、過多であるとう指摘につながる可能性はある。病床数の高止まりが入院医療費増加につながっているという指摘のロジックとは若干異なるが、医療職の数は間接的に医療費の増加につながると考えている。(2019/10/02)







〇医薬分業、院外処方はグローバルスタンダードだ。院内への回帰を求める声もあるが、処方箋受取率は74%(平成30年)に到達し、診療所ではその5割が院外処方箋率100%となっている。逆に、院外処方の割合が低率(10%以下)となっている医療機関は約2割であり、圧倒的なマイノリティだ。厚労省が示すデータは、今さら昔には戻れないし、グローバルスタンダードに逆行する制度設計はできません、というメッセージなのか。はたまた、最悪のケースを予見するものなのか。(2019/10/06)

〇中医協の外から加わる圧力が増している。これまでの改定で、骨太方針の内容がこのような形で取り上げられたことはあっただろうか。過去の資料を見返す気力と時間はないが、その真偽がどうであれ診療側がこの内容を受け入れたとすれば、今後の中医協の立ち位置は大きく変わることになる。(2019/10/02)





〇「薬局に関する指摘事項等」という議題はなかなか衝撃的だ。あまり好意的な表現ではない。資料としては、骨太方針、そして厚生科学審議会医薬品医療機器制度部会のとりまとめが続く。冒頭にある薬局、薬剤師の数的現状を示す資料からの流れで文脈を敢えて読み解くとすれば、「院外処方箋の増加とともに増加し続ける薬局・薬剤師において、このような指摘事項があり、骨太方針でもそれらの適正化が強く求められている」と捉えるのが自然だろう。(2019/10/06)


〇算定が極めて困難な「服用薬剤調整支援料」は、平成30年6月の1ヶ月で189回の算定実績があったことが示されている。一部の中医協委員からは「算定回数が少なすぎる」という意見が出ているようだが、約60000軒ある薬局で189回/月という数値をどのように評価するかは難しい問題だ。そもそも、この点数は他の項目と異なり、算定回数が経時的に増加し続けるものではない。ある時点までは増加するとしても、いずれは算定回数が減少していく。多剤投薬の問題は日本の医療制度が生んだ根深い問題であり、根気よく地道に取り組んでいくしかない。1種類で〇点、2種類で□点、3種類で△点のような段階評価も検討すべきと考えるが、次期改定での取扱いは未知数である。(2019/10/07)




〇予想以上に服薬情報等提供料の1と2が拮抗している。もっと2の比率が多いものと考えていたが、努力の成果が伺える結果になっている。ところで、当該点数の意義は「調剤後の継続的な薬学的管理」にある。どこかで見かけたことのある表現であり、次期改定ではこの点数の行く末を注視する必要がありそうだ。特に算定回数の多い薬局では、この点数が無くなる事態を想定して対策を検討することを提案したい。(2019/10/07)



〇かかりつけ業務に係る点数の伸びが著しい。かかりつけ薬剤師指導料新設と同時に、かかりつけ業務の重みが増した。さらには、調剤基本料の特例除外のために算定件数が増加したことも背景にあると考えている。それにしても、算定要件が大きく変わらない中で、ここまで顕著に増加しているのには何かからくりがあるのだろうか。算定スキームの発見なのか、はたまた薬剤師の気合いによるものなのか。今後より一層重要視される対人業務に係る点数だけに、中医協委員がどのように受け止めて、どのような意見が展開されるかが気になるところだ。(2019/10/10)




かかりつけ薬剤師指導料は平成30年度改定で算定のハードルが高くなった。それがきっかけかどうかは分からないが、2018年4月以降算定回数、算定薬局数ともに伸びが頭打ちとなっている。別の見方をすれば、かかりつけ算定に取組む薬局とそうでない薬局とが二分されたとも解釈できる。かかりつけ薬局・薬剤師制度へと政策誘導するとすれば、令和2年度改定では薬剤服用歴管理指導料とかかりつけ薬剤師指導料の点数格差が更に拡大する可能性がある。そのためにも、施設基準、算定要件の緩和が求められるところだ。(2019/10/10)

〇スライド29・30から読み取れるのは、後発品調剤体制加算の施設基準を厳しくしたことにより、その算定回数が減っているが、GE数量比率に大きな影響はなかったという事実だ。むしろ増加し続けている現実から考えると、2020年9月末の80%達成を目指して、加算のハードルが高まることは間違いない。過去を振り返れば、65%・75%以上という引上げ(2016年度改定)を行って挑んだ「2017年なかばに70%以上」という目標値は未達に終わった。やはり、目標である70%を下回るハードルを設けてしまったことが要因だったと考えられる。次の目標値は「2020年9月末で80%以上」であり、2020年度改定は目標達成を強く意識した施設基準の変更が見込まれる。3段階なのか、2段階なのか、はたまたは一本化なのか。向こう2年の収支シミュレーションも含めた対策が必要だ。(2019/10/11)

調剤基本料は患者にとって最も理解し辛い考え方であり、国民の理解を得るという観点からかけ離れている。経営効率性という視点は理解できないでもないが、処方箋枚数や集中率が低い薬局を国が擁護しなければならないという正当な理由は存在しない。処方箋受付に掛かる諸費用ということで、いっそのこと一律にすべきと考えている。とは言っても、次回改定ではそこまでのドラスティックな改革が行われるとは考えにくい。そうなると、どのボリュームゾーンが狙われるのか?が焦点になる。総受付回数40万超の大手に属は、かかりつけ、面対応に積極的に取組んでいる店舗が多数ある。そういった事実を厚労省はどのように捉えているのだろうか。(2019/10/12)



全体の77%が調剤基本料1で算定されている。厚労省の想定はどうなっていたのかが気になる。予測に反して基本料1の算定が多いとすれば、次回は逃げ場(店舗の血のにじむような努力による集中率引き下げの余地)のない制度設計となるだろう。(2019/10/12)



地域支援体制加算については、どういうわけか算定状況が示されていない。それはさておき、6月13日にNPhAが公表した実績値(参考:ミクスOnline)では、会員では2329薬局が算定しているとのこと。会員企業の店舗総数は10000軒超のため、約20%が施設基準をクリアしていることになる。時間軸は前後するが、日本アルトマーク社が6月の厚生局届出状況を集計した結果によると、同加算を算定している薬局は15,012軒(母数は59,864軒)で、算定率にして25%だ。更にアルトマーク社の分析によると、2018年2月1日時点で基準調剤加算を算定していた薬局のうち、約82%が同加算を算定しており、新旧制度で算定可能な薬局は大きくかけ離れていないということが示さたと言える。一方では、調剤基本料1以外の店舗ではその算定率が極端に悪いことを考えると、やはり調剤基本料1の薬局が優遇された施設基準であったという見方もできる。調剤基本料の状況次第で算定難易度が大きく異なるり、かなりいびつな制度設計であったと考えている。調剤基本料の施設基準見直しの次第では、地域支援体制加算の算定状況が大きく様変わりする可能性がある。(2019/10/13)









●非薬剤師でも一部担える業務への報酬である調剤料の比率が依然として高い。(2019/10/14)



●0402通知が示された今、薬剤師の独占業務であった調剤(計数)の技術料は格好の引下げ対象となる。問題はどこまで引下げられるかだ。特に、日数によって変動する内服薬の調剤料は、いずれは一本化される可能性があり、次回改定でそれがどこまで進むのかを予測lしながら、収支のシミュレーションを行う必要がありそうだ。(2019/10/14)








人気の投稿