骨太方針2019を読む(社会保障)⑬
2019/08/14
(ⅳ)診療報酬・医薬品等に係る改革
イノベーションの推進を図ること等により、医薬品産業を高い創薬力を持つ産業構造に転換するとともに、「薬価制度の抜本改革に向けた基本方針」に基づき、国民負担の軽減と医療の質の向上に取り組む。こうした観点から、前回の薬価改定で引き続き検討することとされた課題等について結論を得、着実に改革を推進する。また、AIを活用した医療機器の開発や、医薬品等の開発の促進に資する薬事規制の体制の整備・合理化を進める。バイオ医薬品の研究開発の推進を図るとともに、バイオシミラーについては、有効性・安全性等への理解を得ながら研究開発・普及を推進する。調剤報酬について、2018年度診療報酬改定の影響の検証やかかりつけ機能の在り方の検討等を行いつつ、地域におけるかかりつけ機能に応じた適切な評価や、対物業務から対人業務への構造的な転換の推進やこれに伴う所要の適正化等、2020年度診療報酬改定に向け検討する。その際、医療機関及び薬局における調剤の実態や報酬体系を踏まえ、調剤料などの技術料について、2018年度診療報酬改定の影響や薬剤師の業務の実態も含めた当該技術料の意義の検証を行いつつ適正な評価に向けた検討を行う。診療報酬等について、高齢者への多剤投与対策、生活習慣病治療薬の費用面も含めた適正な処方の在り方については引き続き検討を進める。後発医薬品の使用促進について、安定供給や品質の更なる信頼性確保を図りつつ、2020年9月までの後発医薬品使用割合80%の実現に向け、インセンティブ強化も含めて引き続き取り組む。
コメント:
後発医薬品の使用促進に係るインセンティブの消滅が間近という噂がある。しかし、今回の骨太方針を読む限り、どうやら2020年度改定でなくなることはないようだ。「インセンティブ強化」というキーワードが示唆するのは、要件の引き上げとそれに見合う加算点数の上乗せであると考えられる。他の既存点数の施設基準へ組み込む等の改定を実行するとすれば、「後発品使用促進の在り方を抜本的に見直す」というような表現になるだろう。
ところで、医薬品(モノ)に関する記述と並列して、調剤料の適正化が言及されている点は注目だ。「モノからヒトへ」という改革の趣旨を考えれば至極当然のことも考えられるが、薬剤師の独占業務である「調剤」が薬価やバイオシミラー、ジェネリックと並列で取り扱われることに誰か違和感はないのだろうか。
(ⅳ)診療報酬・医薬品等に係る改革
イノベーションの推進を図ること等により、医薬品産業を高い創薬力を持つ産業構造に転換するとともに、「薬価制度の抜本改革に向けた基本方針」に基づき、国民負担の軽減と医療の質の向上に取り組む。こうした観点から、前回の薬価改定で引き続き検討することとされた課題等について結論を得、着実に改革を推進する。また、AIを活用した医療機器の開発や、医薬品等の開発の促進に資する薬事規制の体制の整備・合理化を進める。バイオ医薬品の研究開発の推進を図るとともに、バイオシミラーについては、有効性・安全性等への理解を得ながら研究開発・普及を推進する。調剤報酬について、2018年度診療報酬改定の影響の検証やかかりつけ機能の在り方の検討等を行いつつ、地域におけるかかりつけ機能に応じた適切な評価や、対物業務から対人業務への構造的な転換の推進やこれに伴う所要の適正化等、2020年度診療報酬改定に向け検討する。その際、医療機関及び薬局における調剤の実態や報酬体系を踏まえ、調剤料などの技術料について、2018年度診療報酬改定の影響や薬剤師の業務の実態も含めた当該技術料の意義の検証を行いつつ適正な評価に向けた検討を行う。診療報酬等について、高齢者への多剤投与対策、生活習慣病治療薬の費用面も含めた適正な処方の在り方については引き続き検討を進める。後発医薬品の使用促進について、安定供給や品質の更なる信頼性確保を図りつつ、2020年9月までの後発医薬品使用割合80%の実現に向け、インセンティブ強化も含めて引き続き取り組む。
コメント:
後発医薬品の使用促進に係るインセンティブの消滅が間近という噂がある。しかし、今回の骨太方針を読む限り、どうやら2020年度改定でなくなることはないようだ。「インセンティブ強化」というキーワードが示唆するのは、要件の引き上げとそれに見合う加算点数の上乗せであると考えられる。他の既存点数の施設基準へ組み込む等の改定を実行するとすれば、「後発品使用促進の在り方を抜本的に見直す」というような表現になるだろう。
ところで、医薬品(モノ)に関する記述と並列して、調剤料の適正化が言及されている点は注目だ。「モノからヒトへ」という改革の趣旨を考えれば至極当然のことも考えられるが、薬剤師の独占業務である「調剤」が薬価やバイオシミラー、ジェネリックと並列で取り扱われることに誰か違和感はないのだろうか。