骨太方針2019を読む(社会保障)⑫

2019/08/13

(ⅱ)医療提供体制の効率化 3/3
オンラインでの服薬指導を含めた医療の充実を進める。オンライン診療について、現場の状況等を踏まえ、診療報酬における対応について検討するとともに、オンライン服薬指導についての実施の際の適切なルールを検討する。生まれてから学校、職場など生涯にわたる健診・検診情報の予防等への分析・活用を進めるため、マイナポータルを活用するPHRとの関係も含めて対応を整理し、健診・検診情報を2022年度を目途に標準化された形でデジタル化し蓄積する方策をも含め、2020年夏までに工程化する。医師偏在指標を活用し、臨床研修や専門研修を含む医師のキャリアパスも踏まえた実効性のある地域及び診療科の医師偏在対策を推進する。2022年度以降の医学部定員について、定期的に医師需給推計を行った上で、医学部定員の減員に向け、医師養成数の方針について検討する。また、診療能力向上のための卒前・卒後の一貫した医師養成課程を整備するとともに、改正医師法に基づき、総合診療専門研修を受けた専攻医の確保数について議論しつつ、総合診療医の養成を促進するなどプライマリ・ケアへの対応を強化する。医師・医療従事者の働き方改革について、医師の働き方改革に関する検討会報告書も踏まえ、医師に対する時間外労働の上限規制の適用開始も見据え、医療機関における労働時間管理の適正化とマネジメント改革を推進するとともに、実効的なタスク・シフティング等に取り組む。


コメント:

小林よしのりのゴーマニズム宣言的に言えば、「オンライン診療、服薬指導を速やかに拡大せよ!水虫の外用薬ごときで、いちいち外来受診などしていられない。タイムイズマネーだ!」となる。

ICTが普及して、効率化が求められれば求められるほど、どういう訳か仕事は忙しさを増していく。ICTやAIによって情報やサービスの処理能力が高まるほど、人間にはきめ細かな対応が求められるようになる。脳が擦り切れるような感覚に陥っているのは私だけだろうか。

そんな業務状況では、よほど体調不良にならない限り、外来受診するような余裕はない。このままでは、外来受診したくてもできないサラリーマンが増加しているに違いない。

オンライン診療に必要であるならば、PHRの共有は全くもって厭わないというのが個人的な考えだ。どんどん共有して活用して頂きたい。今後の進展に注目したい。

もう一つの注目は、医療におけるタスクシフティングだ。タスクシフティングが進むほど、仕事を手放す側の専門性は否応なしに高まる。中には専門性の高まりを敬遠する職種もあるだろう。専門性の高まりによって、業務は複雑性を増し、リスクが高まる。この変化を敬遠する人もいることだろう。推進派と保守派の綱引きは続く。

人気の投稿