骨太方針2019を読む(社会保障)⑪
2019/08/12
(ⅱ)医療提供体制の効率化 2/3
質が高く効率的な救急医療提供体制の構築のため、救急医療のデータ連携体制の構築、救急救命士の資質向上・活用に向けた環境整備に関し検討を行う。諸外国と比べて高い水準にとどまる入院日数の縮小を目指す。特に精神病床については、認知症である者を含めその入院患者等が地域の一員として安心して自分らしい暮らしをすることができるよう、精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築など基盤整備への支援等を講ずる。病院と診療所の機能分化・連携等を推進しつつ、かかりつけ機能の在り方を踏まえながら、かかりつけ医・かかりつけ歯科医・かかりつけ薬剤師の普及を進めるとともに、医療機関へのかかり方について行政・保険者等が連携し啓発を行う。高額医療機器の効率的な配置に係る方針を都道府県の医療計画において盛り込むとともに、配置状況の地域差縮減に向けて共同利用率の向上等を図る。人生の最終段階における医療・ケアの在り方等について、人生会議などの取組を推進するとともに、在宅看取りの好事例の横展開を行う。
コメント:
救急医療の整備は重要だが、それを必要とする症例の数は減少していくのではないだろうか。人口減少という要員を除外して考えても、ICT、ロボット、AIの発展によって、人間が危険業務に従事する機会は急速に減少する。自動運転が全面解禁となれば、交通事故は限りなくゼロになるはずだ。さらには、アップルウォッチなどの携帯端末でバイタル情報を24時間収集し、AIによる解析と予防措置が可能となれば心不全などを未然に防ぐことも可能になると考えている。
認知症は今後の日本のみならず世界中の人々にとって最大の関心事になるだろう。なにせ、認知症の成因は不明であることのほうが多く、一部の症状進行遅延薬を除いて、治療薬と呼べるものは一つもないという現状にある。現在進行中の治験から日の目を見るものは出てくるのだろうか。
もうひとつ気になるのが「高度医療機器の効率的な配置」というキーワードだ。中医協層会だったか、財政審だったか、いつぞやの審議では、MRIやCTの設置台数を表すデータが提示されていた。高度医療機器を維持するにはそれなりの収入が必要になる。それなりの収入を確保するには、それなりの診療報酬点数を設定しなければならない。人口のシュリンクに合わせて、様々なものをダウンサイジングする必要があるのだ。昨今の医療費に係る議論は、その準備段階に入った。業界が非難される、されないに関係なく、ダウンサイジングを前提とした経営計画を検討する段階に突入したのだ。
(ⅱ)医療提供体制の効率化 2/3
質が高く効率的な救急医療提供体制の構築のため、救急医療のデータ連携体制の構築、救急救命士の資質向上・活用に向けた環境整備に関し検討を行う。諸外国と比べて高い水準にとどまる入院日数の縮小を目指す。特に精神病床については、認知症である者を含めその入院患者等が地域の一員として安心して自分らしい暮らしをすることができるよう、精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築など基盤整備への支援等を講ずる。病院と診療所の機能分化・連携等を推進しつつ、かかりつけ機能の在り方を踏まえながら、かかりつけ医・かかりつけ歯科医・かかりつけ薬剤師の普及を進めるとともに、医療機関へのかかり方について行政・保険者等が連携し啓発を行う。高額医療機器の効率的な配置に係る方針を都道府県の医療計画において盛り込むとともに、配置状況の地域差縮減に向けて共同利用率の向上等を図る。人生の最終段階における医療・ケアの在り方等について、人生会議などの取組を推進するとともに、在宅看取りの好事例の横展開を行う。
コメント:
救急医療の整備は重要だが、それを必要とする症例の数は減少していくのではないだろうか。人口減少という要員を除外して考えても、ICT、ロボット、AIの発展によって、人間が危険業務に従事する機会は急速に減少する。自動運転が全面解禁となれば、交通事故は限りなくゼロになるはずだ。さらには、アップルウォッチなどの携帯端末でバイタル情報を24時間収集し、AIによる解析と予防措置が可能となれば心不全などを未然に防ぐことも可能になると考えている。
認知症は今後の日本のみならず世界中の人々にとって最大の関心事になるだろう。なにせ、認知症の成因は不明であることのほうが多く、一部の症状進行遅延薬を除いて、治療薬と呼べるものは一つもないという現状にある。現在進行中の治験から日の目を見るものは出てくるのだろうか。
もうひとつ気になるのが「高度医療機器の効率的な配置」というキーワードだ。中医協層会だったか、財政審だったか、いつぞやの審議では、MRIやCTの設置台数を表すデータが提示されていた。高度医療機器を維持するにはそれなりの収入が必要になる。それなりの収入を確保するには、それなりの診療報酬点数を設定しなければならない。人口のシュリンクに合わせて、様々なものをダウンサイジングする必要があるのだ。昨今の医療費に係る議論は、その準備段階に入った。業界が非難される、されないに関係なく、ダウンサイジングを前提とした経営計画を検討する段階に突入したのだ。