政策誘導による「かかりつけ」は定着するのか③

2019/07/03

日本におけるかかりつけ医制度は、診療報酬によって制度設計が進められている。

具体的には「地域包括診療料・加算」がそれに当たる。しかし、この点数だけでは医療機関側に大きなメリットがなく、思うように進んでいないというのが現状だ。そのため、2018年4月より「機能強化加算」というインセンティブが追加され、地域包括診療料・加算算定のための施設基準クリアにテコ入れがなされているところである。

一方で、患者サイドはどの医療機関が地域包括診療料・加算の施設基準をクリアしているかなど知る由もない。当然、地域包括診療料・加算を届出た医療機関がどのような機能を持っているのかなど分かるわけがない。

診療報酬による誘導は患者にとって非常に難解で、多くの場合で負担金額が増えるため手放しでメリットを感じづらいという欠点がある。

患者側が「かかりつけ」を意識するような社会構造の改革が必要なのだ。


人気の投稿