『海外医療ニュース』 新たなタイプの認知症 LATE

2019/05/04

認知症キャラバン・メイトとしては見逃せないタイトルに目が止まった。

"New type of dementia identified"

新たなタイプの認知症が特定されたとのこと。

記事中では、LATE(Limbic-predominant Age-related TDP-43 Encephalopathy)と呼称されている。

症状はアルツハイマー型認知症に類似しているが、成因となる異常タンパク質がアルツハイマー型のそれとは異なっている。アルツハイマー型認知症では、タウ蛋白、アミロイドβ蛋白の異常生成が成因とされている。一方で、LATEは、その名称に含まれているTDP-43蛋白の増加に関連しているようだ。

80歳以上の高齢者のうち20%にLATEの疑いがあり、アルツハイマー型認知症と併発しているケースもあるとのこと。LATEの確定診断は今のところ死亡後に脳を解剖するよりない。

いかなる疾患もその成因に応じた治療が必要であることは言うまでもない。アルツハイマー型認知症ではタウ蛋白、アミロイドβ蛋白の異常説に則った治療薬の開発が進む中、治験が立て続けに失敗に終わっている原因にはLATEが診断不足があるかもしれないと記事は伝えている。

病型の特定は治療薬の選択ばかりでなく、care-giverのみならず周囲の人間によるケアの仕方にも影響する。今回の発見が臨床への応用に近づくことを期待する。

文献(無料)
Limbic-predominant age-related TDP-43 encephalopathy (LATE)

参考サイト
Form of dementia that ‘mimics’ Alzheimer's symptoms discovered
Hannah Devlin(Science correspondent, the Gurdian)
30 Apr 2019

New type of dementia identified
Michelle Robert(Health editor, BBC News online)
30 April 2019

New type of dementia identified
NHS
1 May  2019

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