フォーミュラリーは、地域よりも院内が先

2019/04/21

“地域”よりもまずは“院内”だと思う。

今話題の、フォーミュラリーの話だ。

最近、やけに“地域”フォーミュラリーというワードが取り上げられている。地域の医療費削減、医薬品の適正使用という観点では、確かに“地域”フォーミュラリーが有用であることは事実である。しかしながら、“院内”フォーミュラリーすら持たない医療機関が集まる地域で、“地域”フォーミュラリーは成立し得るのだろうか。

個人的には、“地域”フォーミュラリーは“院内”フォーミュラリーの集合か相互利用によって成立するものと考えている。

そもそも、急性期から回復期、そして慢性期と、患者層が異なる医療機関が治療するフォーミュラリーでは、費用対効果による処方成分の優先付けに加えて、適用患者の細かい条件付けが要求される。そう易々と策定できるものではない。

日本よりもフォーミュラリーが進んでいる英国では、NHSの下で医療サービスを提供する医療機関すべてにフォーミュラリーの策定と公開を義務付けている。国家フォーミュラリー(Brithsh National Formulary)に対して、各医療機関のフォーミュラリーは“local formulary”と呼ばれている。

もしかしたら、この“local”が日本に輸入されるにあたり、“地域”と翻訳されたのではあるまいな。

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