メーカー発フォーミュラリー その②
2019/03/07
医薬品プロモーション上の制約について理解が浅いため、可能、不可能を考えずに語る。
私は、製薬企業がフォーミュラリーを作成して、医療機関の医薬品採用をコンサルテーションしてもよいのではないかと考えている。
フォーミュラリー構築に用いるのはあくまでも第3者が執筆した論文等によるエビデンスだ。
たとえ、その構築が製薬企業であっても、企業が収集したバイアスの掛かったデータを用いなければ、フォーミュラリーの本来趣旨に基づいた中立的な医薬品リストが出来上がるだろう。
そして、このコンサルテーションはジェネリックメーカーが積極的に取組むべきと考えている。
ジェネリックメーカーには荷が重いのでは?という意見は多いだろうが、そのご意見は敢えて無視して考えていく。
複数種類の同種同効薬を取扱うジェネリックメーカーであれば、新薬メーカーのように一押ししたい有効成分(自社製品)がないため、中立性の確保につながる。もちろん、ジェネリックの中でも有効成分や製品によってコストの大小はあるため、優先したい製品はあるだろうが、そこはぐっと我慢してほしい。
フォーミュラリーコンサルタントの一役を担うには公明正大になる必要がある。
病院でフォーミュラリーが進まない理由には大きく3つあると考えている。
一つが、フォーミュラリー作成の必要性を感じていないということ。しかし、これについては、いずれそうも言っていられなくなるのは明白だ。
二つ目が、そもそも文献を批判的に評価して、フォーミュラリーを作成できる人員がいないという問題だ。
そして最後が、医師を説得しなければならないという最大の障壁だ。
2つの課題に対しては、時に外部からのアプローチも必要と考えるなら、製薬企業の介入余地は大きい。
こんなことを真剣に考えているジェネリックメーカーはあるのだろうか。
つづく