保険者発フォーミュラリーの展開スキーム②

2019/02/04

協会けんぽ静岡支部によるフォームラリーのパイロット事業が実行段階となった。

1/19にあったフォーミュラリー研究会(日本調剤、日本医薬総合研究所)によって、そのスキームが明らかになった。

業界紙でもその内容が取上げられている。興味のある方は、下記の記事を一読されることを進める。少々長文だが、フォーミュラリーを継続的に追っている記者が書いているため、要点を突いた内容になっている。

フォーミュラリーとは本来、処方権に介入して初めて効果を発揮するものだ。医師、病院薬剤師でもない保険者が、いかにして外部の医師や医療機関へ影響を及ぼすのか、皆目見当がつかなかった。

スキームは非常にシンプル。

基本は「協力のお願い」。お願いに当たっては、用意周到、完全武装で挑む。

スキームは2本柱。レセプトデータ分析結果によるターゲット設定(医療機関と薬剤)と
フォーミュラリー作成・見当に要するエビデンス集の提供だ。

レセプトデータ分析

BIツールを用いた下記データの見える化
・医療機関、薬局ごとのジェネリック切替状況
・生活習慣病を中心とした薬効群における成分別のジェネリック切替状況

医療費の高い病院の問題点分析
・ジェネリック採用が遅れている病院はどこか?
・ジェネリック採用後の切替えが遅れている病院はどこか?
・院内でジェネリック採用も、新薬(ジェネリック未発売)へ処方が流れていないか?

医療機関と薬局の紐付けによる、ジェネリック切替状況の分析
・変更可の処方箋を受付するも、ジェネリック切替を勧めていない薬局はどこか?
・ジェネリック切替率の低い薬局に共通する傾向は何か?

エビデンス集は、臨床効果(学会報告等)、ガイドライン、安全性比較(慎重投与、や相互作用等の情報)、副作用情報(副作用発現率)によって構成されている。この資料をもって、有効性・安全性と経済性に基づいた病院オリジナルのフォーミュラリーを作成してもらうのだ。

ここまでお膳立てされると、はっきり言って逃げ場がないのではなかろうか。

具体的には2018年度中に、各医療機関へシミレーションが提供されるとのこと。
今後の展開から目が離せない。

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