昭和大フォーミュラリー更新 フォーミュラリーの理想型を考える

2019/01/09

12月下旬、昭和大学病院がフォーミュラリーリストを更新した。

今回は5薬効群が追加され、カバーする処方が一挙に拡大した。

昭和大学病院はそのホームページでフォーミュラリーリストを公開している。
http://www.showa-u.ac.jp/SUH/guide/pharmacy/formulary/formularylist.html

この取組みは他病院では見られない。
同様の皆保険制度を採っている上、フォーミュラリーで先行している英国NICEに目を向けると、NHSで医療サービスを提供する医療機関はフォーミュラリー策定と公開が義務付けられている。

フォーミュラリーは、患者が地域(クリニック)へ戻った際のことを考慮すると、院内のみならず周辺医療機関へも波及することが望ましい。

この点に関して、日本絵は昭和大学が理想的な取組みを行っていると言えるだろう。

ちなみに、「昭和大学フォーミュラリー」として公開されているのは下記の薬効群になる。

・抗インフルエンザ薬
・抗ヒスタミン薬(H1受容体拮抗薬)
・アンギオテンシン変換酵素阻害薬(ACE-I)
・アンギオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB)
・カルシウム受容体拮抗薬(CCB)
・不眠症治療薬
・H2受容体拮抗薬(H2RA)
・プロトンポンプ阻害薬(PPI)
・P-Cabの推奨適応
・HMG-CoA還元酵素阻害剤(スタチン)
・ビスホスホネート製剤(BP)

各薬剤がどのようにして選定されたか(エビデンスの解析等の作成プロセス)が気になるところだが、このフォーミュラリー策定の肝までは公開されていない。

フリーにアクセスできるものとして、最近ひとつだけ見つけることができた。
アプライドセラピューティクス学会が発行する学会誌だ。

アプライド・セラピューティクス学会 学会誌 (Online edition) Vol.10 2018
http://www.applied-therapeutics.org/journal

こちらに、「系統的論文調査による回復期患者における 尿酸生成抑制薬に関するフォーミュラリの構築」という論文が掲載されており、フォーミュラリー策定プロセスが詳細に記載されている。
この質の論文へフリーにアクセスできるとは驚きだ。

他にも同様の情報があれば、ぜひとも共有いただきたい。

お願いします!!!

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