保険者発フォーミュラリーの展開スキーム①

2019/01/23


1月19日、日本調剤の子会社である日本医薬総合研究所主催の「フォーミュラリー研究会」が開催された。

地域フォーミュラリーで最も注目されている2つの事例が取り上げられる注目のセミナーだ。業界全体の関心高く、会場は満員御礼。

フォーミュラリーへの関心の高さに、業界関係者の様々な思惑が入り混じり、独特な雰囲気が醸し出された会場だった(あくまでも私個人の主観)。

2つの注目事例とは、地域医療連携推進法人として地域フォーミュラリーに取組む日本海ヘルスケアネット、協会けんぽ静岡支部による取組みだ。

私個人が最も注目していたのは、協会けんぽ静岡支部における地域フォーミュラリーパイロット事業の進捗状況だ。

この取組みは、日本調剤のプレスリリースによって昨年8月に公となった。

米国の医療保険制度とは異なり、日本の保険者は医療サービスの選択肢に対して強い権限を持っていない。
そのような制度下で、いったいどのようなスキームであればフォーミュラリーによる医療費削減が可能となるのか、頭をひねりながら思案に暮れていた。

その概要が19日、いよいよ明らかとなったのだ。

医療機関への本格的な提案は第4Qから開始予定で、まずは静岡県内184施設の〝基幹病院″が対象となるようだ。対象病院は、協会けんぽによる医療費給付額の上位施設が優先されることになるだろう。

これまでの準備段階では、日本医薬総合研究所(日本調剤の子会社)の協力によるレセプトデータ解析により、病院院内と紐づけ薬局におけるジェネリック切替状況の分析と、医療費削減において課題となる施設の抽出を行ったとのこと。
そして、フォーミュラリ適用による医療費削減額シミュレーション、医療機関への提案スキーム検討を経て、詳細が固まったようだ。

実際の提案はこれから始まるとのことだが、それを受けた医療機関がどのように反応するかが大変気になるところだ。

あくまでも個人的予測であるが、先陣を切ってフォーミュラリーを導入するエリアや医療機関が出てくると考えている。それらの事例から医療費削減効果のみならず、様々なプラス要素が生み出される。

そうなると他の医療機関も追随せざるを得ない。

保険者主導による地域フォーミュラリーがエリアに浸透していく。

人気の投稿