ICT導入に乗り遅れるということ

2018/12/14

先日、医療用ICTに携わる企業のセミナーを拝聴してきた。

その企業は、クローズドの医療用SNSを展開し、そのSNSをあらゆる医療情報サービスのプラットフォームとして拡大することを構想していた。一部は既に具体化しつつあるようだ。

医療用SNSは取扱う情報の性質上、クローズドであることが理想とされる。

と言っても、LINEなどのSNSツールもセキュリティさえ万全であれば、十分に医療情報のやり取りで活用できるような気がするが、それは間違いだろうか?ネットワークセキュリティに不案内の私にはよく分からない。

そのセミナーを聞いて驚いたのが、在宅患者の紹介が当該システム利用者に優先される実例があるということ。

同じSNSツールを利用している医療介護福祉の事業者同士であれば、利用していない事業者と比較して、コミュニケーションが格段にスムーズになる。そのため、患者紹介先の選定に当たり、当該SNS利用の有無が判断に大きく影響する。さらに興味深かったのは、このシステム利用を呼び掛けているのが、地域の在宅医療と多職種連携の中核を担うひとりの医師であるということ。

この先進的(当該SNS利用の視点で)な地域では、ケアマネはもちろん、訪看、ヘルパー、歯科医師、薬局が当該システムを利用していた。参加していないところも、もちろんある。そんな事業者には、なかなか患者が回ってこない。

あらゆる業種で、ICTに無知ではいられない、そう感じた瞬間だった。

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