エピペンのジェネリックから考える
2018/11/29
アメリカでエピペンのジェネリック品が発売になった。その価格が物議を醸している。
エピペンのジェネリックについては、ブランド品販売会社であるマイランから既にオーソライズドGEが発売されている。しかし、2筒入1箱が300米ドルという価格(これはブランド品の50%という値付け)が、高いという批判を受けていた。
この状況下でテバ社より発売されたジェネリックの価格がオーソライズドGEと同一の$300であったため、物議を醸すことになったのだ。
オートインジェクターのコストが分からないため、この値付けを一方的に批判できないのだが、他成分の内服固形剤と比較した場合(ロスバスタチン5mgで約1/10)、ブランド品の半額という価格は安いものではない。
もし仮に、デバイスのコストを考慮した結果がこの値付けということであれば、日本ではエピペンのジェネリックは発売されない恐れがある。
新規後発医薬品の薬価は先発品の50%という算定ルールがあり、その後薬価は改定の度に安くなっていく。製造コストが絶対的に高いジェネリックは、発売に踏切るメーカーはないだろう。このシステムのままでは、ジェネリックによる医療費軽減のチャンスを国民が享受できないという問題がいずれ出てくるのではないだろうか。