削減された医療費の行方

2018/10/04

ツイッターでフォロー頂いている方からのメッセージで発想が膨らんだ。

“メーカーは、本質的にはイノベーションに対する対価を享受すべきだと思料
別のアングルですが、プロテウスはデジタルメディスンを通じて得られた「医療コスト削減に対する償還」を狙っています”

「医療コスト削減に対する償還」がキーワードだ。

確か、地域フォーミュラリーの連載に対するメッセージだったと記憶している。

東京大学の先生が、地域フォーミュラリーの推進スキームとして、同じようなことを言っていたのを思い出しだ。フォーミュラリー導入によって浮いた薬剤費を医師に分配するというスキームだ。

頭の固い私は「そんなスキームありかぁ?」という第一印象とともに思考停止していたにだが、同様のスキームはこれまでにも幾度となく用いられてきたということに気付かされた。

わかりやすいところで言うと、薬価改定による削減額を診療報酬本体の財源とするスキームだ。社会保障費の財源は有限だ。どこからか引っ張ってこないことには予算が立てられない。標的の点数を下げて、目標とする点数に上乗せするしかない経済状況にある。

最近では、医師会が執拗に薬局の在り方を問うている。これは、2020年改定で調剤報酬本体のマイナス改定による財源確保を画策することが目的の一つであることは間違いない。

冒頭のプロテウスのスキームは、エビリファイ等の抗精神病薬のように、コンプライアンスが悪い薬剤の服薬状況をモニタリングし是正することで、救急搬送、服用されない薬剤に掛かる経費の削減につながる。そして削減が見込まれる金額を薬価に上乗せする等して報酬を得る。

フォーミュラリーの場合も同様だ。適正使用指針に沿った投薬で国庫、保険者による支払は減少する。何らかの形でこの減額分からの償還を得られれば、新たなビジネスモデルが生まれることになる。

残薬、ポリファーマシーでも同様のスキームが適用できるはずだ。当事者からの声はあまりなさそうだが・・・

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