動かざること山の如し
2018/10/23
先日の業界紙に、流通改善GLの下で初めて行われた価格交渉を振り返った某業界団体の偉い方のコメント記事が掲載されていた。
「押しても引いても動かなかった」
カッコ書きとなっているため、おそらくご本人の言葉がそのまま用いられたのだと思うが、なかなか印象的なフレーズだ。
「押しても引いても動かなかった」
このフレーズからは想像以上に交渉が進まなかったことがうかがえる。
そして、医薬品卸の本気度が伝わってくる。つまり、薬局業界を代表する団体の役員が経営する薬局にも妥協を示さなかったということだ。
本当にすごい。
どうやら、流通改善GLは厚生労働省による医薬品卸擁護策ではなかったようだ。
むしろその逆で、卸の存在価値を問うための最後通告のようなものだったのだ。つまり、主要機能のひとつである価格交渉すらままならない医薬品卸は不要です、という厚生労働省からのメッセージが示されていたのだ。
だからこそ今回、各卸は本気になった。
次の勝負は、2019年薬価改定だ。
薬価ダウンは製薬企業、医薬品卸にとって非常に大きな経営上のインパクトをもたらす。
医療機関や薬局にとっても同様だ。喜ぶのは、国や保険者の支払い側と患者のみ。
今日と明日とで主要製品の価格が大きく異なる。
今更だが、すごい世界で働いているものだ・・