地域フォーミュラリーを考える⑦
2018/09/08
地域フォーミュラリーの今後には、大きく分けて導入期、普及期、安定期、拡大期のフェーズがあると妄想している。
地域フォーミュラリーが、院内フォーミュラリーからの波及系になるのか、もしくは保険者等による独自のそれが地域に浸透していくのか依然として不透明ではあるが、突然普及するとは考えにくい。
地域の医師、薬剤師等の理解を地道に深め、徐々に地域での浸透を図る活動が必要と考えている。国の財政、保険者の経営が厳しいことは多くの医療関係者にとって周知のことであるため、理解が進むと同時に賛同の輪が広がる。これが、導入期、普及期に当たる。
そして、フォーミュラリーが一般的なものとなる安定期を経て、拡大期へと進む。
拡大期のイメージは、英国NICEによるICERを用いた費用対効果評価を国家的に組み入れたフォーミュラリーの作成と国家医療サービスへの適用である。日本に当てはめるならば、国民皆保険制度の下で医療サービスを提供する全ての医療機関ではこのフォーミュラリーを遵守しなければならないことになる。
こうなると新薬メーカーも真剣にフォーミュラリー対策を考えなければいけなくなる。処方医との面談よりも、いかにしてフォーミュラリーにねじ込むかがプロモーションの根幹になるだろう。