処方箋薬の配送は本当に便利か?
2018/09/06
ICTの技術革新、各種規制改革の進展に伴い、医療業界でも様々な新しいビジネススキームが登場してきている。
しかし、患者意識が鈍いのか、まだまだ規制改革が十分でないのか、マーケットがなかなか拡大しない。厳しい市況が続けば事業の見直しを迫られる企業が出てくるだろう。
ミナカラ社によるお薬宅配サービスは、一定のニーズはあるものの、人員面、採算面の限界より、現在ではサービス提供エリアを限定しているらしい。
お薬カウンター神田店は、開局より1年も経たないうちに移転となった。事情がわからないため是非を判断することはできないが、ポジティブ、ネガティブいずれにしても移転を要する何らかの理由があったことは確かだ。
新しい事業形態を成功させるのは非常に難しい。しかし、挑戦なしでは成功もない。
両社のビジネスモデルに共通するのは、配送される薬を受け取るという物理的制約を伴うことだ。
配送というのは一見便利そうだが、場所や時間の制約が付きまとうため、それなりの負担を強いられる。一般の荷物であれば宅配ボックスを利用すれば済むのだが、保険調剤された医薬品となると話は別だ。(確か、直接本人の手元に届くという規則があったような・・・)
個人的には、アマゾンの配達すらなかなか受け取れず、初回の配達日から1週間後にやっと受け取るということが珍しくない。こういった生活環境では、処方薬の配送を依頼したいとは微塵も思わない。
ミナカラやお薬カウンター神田店が大成功を収めなかった背景にはこのような消費者意識があるのではなかろうか。
宅配ボックス設置が進みそうだが、いったいどうなることか。